岐阜の町に圧倒される
城に近付くにつれどんどん増える史実ではあり得ない店の数々・・・。
「宿屋に・・・飯屋・・・織田印のカレー屋!?普通のご飯屋じゃなくカレー屋!?それにトンカツ屋もあるの!?へ!?肉屋まである!?なんじゃこりゃ!?」
「姉ちゃん!ここいらじゃ見ない顔だな?まぁ一本食べてってくれよ!な?やっとこのてりやきタレの皆伝をセバスチャン様から貰い開けた屋台なんだ!」
「えぇ〜!?焼き鳥屋さん!?いや他にもラーメン屋まであるの!?いったいどれだけ暁君は教えたのよ!?」
「なんだ!?大橋様と知り合いか?名前で呼ぶ事を許されてるのは少ないのだぞ?さては姉ちゃんもあれか!?玉の輿に乗ろうとしてるのかぃ!?」
モグモグ!
「みふゅき様!ハム ハム これ相当美味しいでふよ!!」
「あっ!こら!リディア!勝手に食べないの!」
「お!そっちは南蛮の姉ちゃんかぃ!?いいさいいさ!食べてくれ!一本100円だからよ!そうだな・・・1本80円にしてやろう!今回だけだぞ!?」
「あの、すいません!お金はまさか円ですか!?」
「なんでぃ!?知らなかったのか?あそこに両替所って看板があるだろ?あそこに河尻様って方の配下の方が居るからその人に言えば鐚銭でも両替してくれるぞ!おう!そうだ!一応、織田の殿様の倅殿の管轄らしいから大橋様に近付きたいならあまり無茶言うなよ?ははは!」
暁君・・・あなた本当に・・・
「ハム ハム ハム あれ?みふゅき様は食べないのでふか?」
「リディアが全部持ってるのにどうやって食べるのよ!?それに両替して持って行かないと無銭飲食になるんだからね!それにあなたばかりじゃなくてるちゃんにも食べさせなさい!」
「お姉ちゃん!美味しい!!」
「よかったね!後で両替したらもっと買ってあげるからね!」
そもそも今思えば道も平だ。普通にアスファルトが敷いてあるから違和感なかったけどこれもありえないよね!?まぁこれに関しては隠岐島でも私がしてるけど。
パンパンパンパンパンパンパンパンパン
「美幸様!伏せてください!銃声です!」
「「「はははは!!!」」」
「え!?なに!?何で笑われてるの!?」
「ははは!お嬢さん方は岐阜は初めてですかな?あれは訓練場からの音ですよ!」
「訓練場?」
「そうそう。鉄砲で的当てして遊ぶ遊戯ですよ。まぁ今じゃ射撃場とも言いますがね。お金払えば撃たせてもらえるよ!」
いやこれは有りだ。日頃から鉄砲に触れ合う事があれば射撃の腕も上がる。素人だけでは危ないが熟練者の人が居れば安全だ。
「クゥ〜!!暁君やるねぇ〜!!私には思い付かなかったよ!!」
「美幸様すいません」
「いいよいいよ!リディアの判断は正しいよ!じゃあ両替所に入ろう!」
両替所は看板に大きく【両替所&案内所】と書かれていた。小さな小屋だがかなり綺麗だ。ちゃんと入り口に注意書きがある。
「う〜んどれどれ・・・犯罪者には両替しない・・近江、越前商人と分かる者には両替しない・・甲斐や越後の商人は身分証発行者のみ優遇?なんじゃこりゃ!?」
「美幸様!?普通に見てますが楷書体ですよ!」
「あっ!本当だ!これもごく普通だから気が付かなかったよ!凄いね〜」
「おや?お嬢様方はどうされましたかな?怖がらずに入りなさい」
「あっどうも。失礼します」
「いらっしゃいませ!本日はどのような御用向きで?」
「すいません。ツレが知らない間に焼き鳥を食べてしまったようでその・・・お金を両替してなく支払いができないので・・・」
「そうであったか。帯刀しておるが・・・つかぬことを聞くが旅人か?女性が3人とは珍しい。危ないと思って来られたのか?」
「あっ、すいません。私はきさ・・・美幸です!こちらはリディアと申します!この子供はてると言います!リディアは南蛮者に見えますが日の本の女性です!危ないと思ってとはどういう意味でしょうか?」
「あっ、いや。違うのならば構わない。う〜む。そうであったか。美幸殿とてるちゃんとリデア殿だな」
いやリディアだけど多分発音できないのかな?ってかこの人も相当体大きい人だね!?まさか河尻秀隆さんなの!?
私が思った事は多分、浅井、朝倉からそれなりにやはり人が来るのかな?と思う。見た感じ戦準備してるようには見えないけど・・・。
それにしても朝倉のボンクラの雑兵と違ってかなり礼儀正しいな。女だからと軽視される目じゃない。むしろ警戒していないように見えてかなり警戒しているのが分かる。この人やり手だわ。
「はい。隠岐から来ました。敦賀を通り柳ヶ瀬を通りました」
「隠岐?初めて聞くところだな?おい!お前!地図を持って来い!」
え!?地図!?地図まで普通に置いてあるの!?簡単な事だけど1番のチートじゃない!?
「隠岐・・・隠岐・・・おぉ!!この場所ですかな!?」
「え!?あ、はい!ここです!船で来ました!」
「なんとまぁ遠いところから・・・それで何の目的でこちらに?あぁ〜いや、失礼。某は河尻秀隆と申す。人検めも仕事ゆえに御勘弁を。それと差し支えなければ刀を預かっても?」
「あ、すいません!どうぞ!リディア!あなたも腰の短刀を渡して!」
「はぁーい」
「ふむ。ふむ。これまた珍しい技物だな?あっ!さてはセバスチャン殿に打ってもらった刀ですかな!?中々交友の広い方ですからな!ははは!いや失礼。お返し致す。それで・・・どのくらい両替を?」
いやいやもう検めるってもう終わりなの!?しかもセバスチャン殿ってあのセバスチャンだよね!?暁君のアンドロイドの!?セバスチャンまで好き勝手してるのかな!?
そういえばこの河尻秀隆さんって方の腰にぶら下げてる刀も西洋の剣みたいだ。
「とりあえずこれでいくらくらいになりますでしょうか!?」
「うむ・・・鐚銭が多いですな。土地柄、海で隔たれておりますから仕方ない事ですかな・・・うむ・・・」
「河尻殿?交代しましょうか?」
「信忠様!!!どうされましたか!?」
「いや女性には身元が分かればサービスなる物をしなさいと小雪殿によく言われているではありませんか?何を迷っているのかと」
「あ、いえ・・・これはそういう意味ではなくてですねはい・・・」
嘘!?この子が信忠!?織田信忠!?めっちゃしっかりした子なんだけど!?15歳くらいかな?いやそれにしても立派な武将だよ!?
「いいから変わりなさい」
「すいません。お頼み致しまする」
「いやぁ〜申し訳ない。河尻殿は自分にも厳しい方ですが女性にも厳しい方でしてね?お許しを。織田信忠と申します。織田と申しましたが畏まる事はありませんよ」
「はっ!!すいません!ありがとうございます!」
「それで持ってきたお金は鐚銭も含めて3貫程ありますが・・・中々の大金ですね。全部両替されますか?計算するとーー」
嘘!?電卓!?ヒュ〜!何でも出してるんだ!?
「あの・・・・」
「あ、はい!どうされましたか?」
「あなた様はあの織田信長様の御子息様ですよね!?」
「如何にもそうです。が、今はただの男ですよ。お気になさらず。隠岐でしたかね?隠岐では知りませんが岐阜や尾張では身分関係なく働く武士も居るのですよ。それで、普通では45万円ほどになりますが少しさーびすしましょう。47万円になります。用意させますのでお待ちください」
「何かわかりませんがありがとうございます」
「円と言われても驚かないのですね?」
「え!?あっ、いやそんな事ありません。先程河尻様にも言われていたので・・・」
「そうでしたか。ではこの袋に説明書きと一緒に入れておきます。もし算術が分からなければこの紙を見れば分かります。文字が分からなければ朝も昼もいつでもここに人は居ますのでお越しください」
「はぁ〜。ありがとうございます」
ここまでくれば何でも有りな感じがする・・・。お金は・・・いやまんま現代のお金じゃん!1000円、5000円、10000円が銀判、小判、大判になってるのか。よく考えられているね。小さいお金はまだ作ってないのかな?
「初めてでは分からない事もあるでしょう。少し前まで紙で作られたお金を使用したりしていたのですよ。おっと・・・話が逸れましたね。申し訳ない。
ここ岐阜城下は織田領内でも極めて安全です。襲われたり、賊なんかも現れる事はないでしょうが、不安なことがあれば大声を出してください。警備隊の者がすぐに駆けつけます。本日は遅いですのでどこか宿に泊まる事をお勧めします。ありがとうございました」
信忠さんはそう言うと深々と頭を下げて私達を見送ってくれた。
「まぁ、とにかく焼き鳥屋さんにお金払いに行こう!そして今日は一泊しよう!普通に私も楽しくなっちゃった!」
「いいですね!賛成!!」
「あのう・・・私お金が・・・」
「あっ、ごめん!気が付かなかった!はい!これを渡しておくよ!5万円あるからなくさないようにね!明日には私の知り合いに会わせてあげるから!」
「あ、いえそういう意味ではなくお姉ちゃんに悪くて・・・」
「うん?なんで?」
「だって・・・あの食べた事なかった美味しい物も食べさせてくれたし・・・」
「焼き鳥の事?あれくらいいいよ!それに、てるちゃんはラーメンとか知らないでしょ?暁君がどのラーメン教えたか気になるしみんなで食べよう!!たこ焼き屋もあるし・・・へぇ〜!?あっちにコンビニもあるじゃん!!行こ!行こ!」
「おい!てる嬢!童は気にしないでいい!美幸様は見捨てたりしない方よ!食べたい物は食べたい!飲みたい物があれば飲みたいと言いな!遠慮すると損するぞ」
「は、はい!リディアお姉ちゃんもありがとうございます!」
「ふふ。妹みたいで可愛いな!まっ、わっちに人間の妹は居ないけどな!」
「何してるの!?早く宿取って食べに行こう!」
「はぁ〜い!」
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