艶と真白 作られた人間!?
「で・・・・あなたは誰なのかな?」
「はい!私は錬成炉から産まれました!名前はありません!」
はい!?錬成炉から産まれた!?錬成炉から人間が作れるの!?禁忌!?まさか!?
「御安心ください!私は本物の人間ではありません!身体の成分は内側から、心臓たる場所はカリホルニウム、血液はエーテル、皮膚から外膜にかけてはプラタリウムです」
「それは分かったけど・・・リズが作ったの?」
「いいえ!私は私が作りました!私がリズ様が作られた錬成炉の本体にございます!リズ様は美幸様にお仕えされてるとの事でマスター権限は美幸様と聞きましたので、どうか私のマスターになってください!」
「ちょ!ちょっと待って!?自分で自分を作るなんて暁君が持ってる錬成炉より高性能なの!?」
「すいません、暁様が誰かは存じ上げませんが私を超える錬成炉は存在し得ないと断言致します。炉自体はあちらにあります。私は補助と、言えば分かるでしょうか」
「補助って・・・なんで自分で自分を作ったの!?」
「それはリズ様が語りかけてきたからです」
さっきリズが錬成炉を作ってる時、リズはリズなりに考えたそうな。ゲームと同じならリズは私を立てるはず。
この錬成炉ちゃん?が言うにはリズ1人では今後増えるであろう人達に対応できないからこの錬成炉ちゃん?がなんとかしよう!と思い、自分で自分を作ったと。
しかもあまりに変わった姿だと怪しまれるため極力人間に近いように、ただ近いだけではこの乱世では穀潰しになるため強くなくてはいけないため・・・
「超超希少物質を使い身体を作ったと?」
「その通りです♪私がリズ様と美幸様をお守りするのです♪」
「それは分かったけどなら何でそんな黒ギャルみたいな見た目にしたの?私が1番敵だと思う見た目なんだけど!?」
「すいません!美幸様もリズ様も色が白いため私は黒くなろうかと思いました!作り直します!」
「え!?ちょ!わざわざ作り直さなくても・・・」
ピンポーン
「出来上がりました!こんな感じでいかがですか!?」
服装こそこの時代の巫女のような服装だけど何で顔がギャルぽいんだろう?何で髪の毛が金髪なんだろう?
「別にそれでいいよ!っていうかそんな簡単に増やせるの!?さっきの黒い方はどうするの!?」
「簡単に量産できますよ♪なんなら世界征服でもやってやりますか?♪」
「いややらないから!!私は目立たずに生きたいの!ってかその、黒い方なにしてるの!?」
「はい。使わないのならもったいないので物資にしようかとーー」
「だめだめだめ!!やめて!!!人間じゃないと分かってるけど可哀想だかやめて!!!」
「え!?可哀想・・・ですか?」
「そりゃ当たり前じゃない!あなたが作ったとは分かってるけどその子を産んだなら私が面倒見るから!!!それに今後は増やす事はだめ!!世界征服もしないから!」
「優しい・・・」
「なに?なんだって?」
「いえ!なんでもありません!ではこの子は美幸様の付き人に!」
付き人とは何かと思うし、名前も決めないといけないな。この黒い子はまんま黒ギャルだからな・・・艶々したような肌だから艶ちゃんとかでいいかな?
「艶ちゃんって名前はどうかな?」
私がそう提案すると黒ギャルちゃんはブルブル震えだし、発光したかと思いきや私に向かい頭を下げてきた。こんな現象は初めて見たためびっくりしてしまった。
「私の名前は艶!!名に恥じぬ働きをしてさしあげますわ!!」
なんか変な喋り方になったんだけど!?
「ふふふ。美幸様?ではその艶は私と連動はしていますが別人格になりますので護衛として常に側に置いてあげてください。続いてこの白い私本体の名前をいただけませんか?」
「また名前!?う〜ん・・・」
別に黒も白も気にはしていないけど白を連想させる名前・・・。
「よし!決めた!見たままの直感!!真白!!これでどうかな!?」
私がそういうとこの真白も同じように震え、発光したのちに落ち着いた。
「あーしは真白!!錬成炉で作りたい物があれば何でも言ってくれよな!?あーしが何でも作ってやるからよ?キャハッハッハッ!」
いやまた途轍もないような性格の子になっているんだけど!?
「と、とりあえず真白?あなたなのよね!?」
「おう!錬成炉本人の真白だ!美幸!!よろしくな!!名前ありがとうな!!あっ!これを友好の印に持っていてくれ!!」
真白がそういうと錬成炉から一つの御守りが渡された。
「なにかな?」
「パイロヒドラの御守りさ!それを付けておくと不意な攻撃で命を落としても一度だけこの今そこに立っている場所に転送させられる御守りさ!」
「え!?そんなアイテムなんてあったっけ!?」
「うん?あるわけないじゃん?あーしが今作ったんだからな?ギャハッハッハッハッ!!!!」
なに!?この真白ちゃんは!?男みたいな感じだけどサラっと凄まじいアイテム作ったよ!?
「美幸様?メニューの方ですが・・・・」
「リズ!?あなたはこんな風になると思って錬成炉を作ったの?」
「はい。分かっていました。ゲームでは佐助様が居て守ってくれましたが今は居ません。私は家政婦型アンドロイド。大した戦力にもなりませんので美幸様をお守りできません」
「リズ・・・・」
「ですので、護衛が作れる錬成炉になればいいなと思い作りました。結果・・・」
「リズ?美幸?なぁ〜?そんな堅い事言うのやめようぜ!?あーしはあんた等のためなら命投げ捨てられるぜ!?」
「こんな風になったというわけね」
申し訳なさそうなリズの顔を見ながら思う。本当は静かになってる艶の方がこんな喋り方になりそうな感じがしたのに・・・。まあそれはいいか。
「美幸様?それで島津様のメニューはどうされますか?」
「島津様はあまり驚かれなかったから盛大にびっくりさせたいかも。私はパスタが食べたい!カルボナーラ作れる?」
「お戯れを。では美幸様はカルボナーラをベースにスープとデザートをお作り致します。島津様には同じくパスタを出しますが、ニンニクたっぷりのペペロンチーノにでもしておきます。ワインもお出ししましょう」
「よろしく!!!」
本当!頼れるのはリズよ!さて・・・晩餐室でも準備しようかな。
私は艶と一緒に晩餐室を掃除していた。正直掃除する程の事もないくらいリズが綺麗にしてくれていたけど。
そして真白はフォーク、スプーンを作り直すとの事で錬成炉から色々作ってもらっている。正直誰がダイアモンドの粉末が入っているフォークを使うのか。ミスリル鋼のスプーンってなんだよ!?と思う。
そんなこんなしていたらドクターハウス入り口噴水に置いてある時計台は17時を過ぎた頃に島津様の御来客だ。1人と言っていたが、やはり1人ではなかった。
「よくぞいらっしゃいました。艶?島津様の馬を・・・」
「はーい」
「うむ。見慣れぬ女だな?彼奴は南蛮の者か?この家の者か?」
「端的に言えばそうですね。また後で詳しく言います。こちらへどうぞ」
ここから長い長い晩餐の始まりである。
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