第3話「少女と同盟」

前回のあらすじ

太陽の街ラーリオスに訪れた僕とリゼン。

でもなぜか誰もいない!?

唯一いた少女と出会ったが、拒絶され、どこかに行ってしまった……

そんな少女に大きな脅威が迫っている!



僕たちは探している。あの少女の行方を

「リゼン!いたか?」

「いや…いない……」



「全く…ボクの気持ちが分かる人はいないのか!」

「いるよ……ここに…」

「誰?ロリコン達の仲間?」

「違うよ…………借りるね」

「え?」

少女の首に薬を注射する

「なんか…眠く………」

そのまま倒れる



「ここにもいない……」

「ねぇヴィルス?魔力が少女の後を追ってるんだったらその魔力を探したら?」

「そっか……じゃあ」

僕は目を閉じて魔力の場所を探す。

「こっちに来てる……」

「え?」

「いやなんかデカい魔力がこっちに向かって……」

「ヴィルス!危ない!」

バァーン!

目の前に弾丸が飛んできた

「リゼン…これって?」

「強大な魔力が込められてる………でもこの量の魔力を扱えるのは人間じゃなくて…」

「魔物…だよね」

「うん」

「さすが冒険家!観察力、判断力どれも素晴らしい!」

リゼンの前に男の人が立つ

「誰だ!リゼンに手を出すな!」

僕は構える

「君は……フューリー族の一人だったね!そんな堅い顔をしないでくれよ…まだ若いんだから~」

その人は僕の顔を触ってきた

「気安く僕の顔に触らないでもらえます?」

僕は男の人の手をどける

「はぁ…この子見て同じ態度取れる?」

男の人は担いでいた子どもを降ろす

「これって!」

「ヴィルス……ちょっとこれヤバイやつだ……」

そこには僕にロリコンって言ってきた少女がいる

しかも体がボロボロで血まみれでおそらく骨も折れている

「お前……名前は?」

「アロット。それがどうしたの?」

「そうか。お前に問う。なぜこの子をこんな目にした?」

「そりゃ君の本気が見たいからだよ~」

「ならばもう躊躇しなくていいな」

僕は固有スキルを使おうと手のひらに触れる

「おっと!させないよ~!」

アロットが僕の腕を強く握ってきた

「な!」

「君に固有スキルを使われるとなかなか厄介だ。だから使わなくさせればいい!」

ナイフを持ち、僕の腕を切ろうとする

(まずい……どうすれば…)

「待て!ヴィルスじゃなくて私が相手だ!」

(あいつ!嘘だろ!……力が抜けて声が出ない!?)

「実力は?」

「魔物倒せるぐらいには」

「ふ~ん…見てやるよ」

アロットは僕の首を掴んでリゼンの方へ走っていった

「な!早い!」

「それだけじゃないよ~」

リゼンの前に立ったアロットはリゼンの中に手を入れる

「俺はお前からなんでも奪える。人生も苦難も感情も!そして能力も……ふっ!」

「がはぁっ!」

アロットが手を抜くと、リゼンは地面に倒れ込んだ

(リゼン!どうすれば……あいつに勝てる……)

「君、魔族?」

銃を持った女の人がアロットに話しかける

「あぁ!そうだよ!」

「じゃあその人は何で倒れてるのだ?」

「俺がやった。凄いだろ~」

「じゃあその少年も?」

「僕に手を出した厄介な王族だからねぇ!」

「君は忘れたの?15年前に人類と結んだ『魔 人平和共存同盟』を」

「懐かしいな~覚えてないよ!」

そう言った後、女の人の首を掴む

「そっか残念だよ。まだいたんだね。人類との対立をかっこいいと勘違いしてる時代遅れの哀れな魔族が」

「俺に歯向かっても意味ないぞ?」

首を掴んだ手に力を入れる

「余裕。余裕。」

「なんでだ?なぜ苦しまない!」

「ついに私のことまで忘れたか……しょうがない。教えてやる。魔族人類戦争取り締まりの執行官。そしてゴーレムのサーガ・X(テン)だ」

「なに?聞いたことないぞ?そんな魔族」

「どうでもいい。君は同盟を破った。極刑に処す」

「極刑だぁ?ゴーレムなんかに負けるか!」

「生意気な…立場をわきまえろ」

サーガさんがアロットを殴る。それと同じに地面が深くえぐれる

「この程度余裕だ!」

「これで死なないか。じゃあ固有スキルの出番だな。」

ステータスを開き、固有スキルを実行する

「君には潰れて死ぬのがお似合いだ」

その時アロットは宙に浮き、周りの岩や木がアロットに引き寄せられる

「なぜだ!なぜ魔族が固有スキルを持っている!」

「私の血には人間の血が混ざっている。それだけだ」

(黙って見てたけどあの人強すぎないか?)

僕は最後の力を振り絞ってサーガさんに話しかける

「あの…すい…ません。最後は……僕に」

「最近の少年は美味しいところだけを持ってくのか。いいぞ。」

僕もステータスを開き、固有スキルを使う



「今日は何を描こう?」



固有スキルを使うとまともに喋れるようになった。

僕は空に激しい字体で文字を書く

そしたら架空の岩が現れ、アロットに引き寄せられる

「さらに!さらに!」

どんどん岩が増えていく

そしてアロットは岩に潰されそうになり、丸いボールのようになる

「アロット!僕らを甘く見るなよ!」

空に描き、自分の脚力とをどんどん強くしていった

「せめて綺麗に散ってもらうよ」

僕はアロットに爆弾を貼り付け、空に打ち上げる

「さぁ!行くぞ!」


「3!」


「2!」


「1!」


「0!」


ドカァーン!


打ち上げ花火のように、爆散した

「た~まや~」

「綺麗な打ち上げ花火だな」

僕は花火をしばらく見ていた後、空に字を書いて少女とリゼンを回復させた

「ヴィルス?終わったの?」

リゼンが起きてきて、少女も起きた

「うん。終わったよ」

「では私はこれで」

「待ってください!」

「ん?どうした?」

「僕に教えてください!同盟のこととか!サーガさんの固有スキルのこととか!」

「分かった。それくらいなら教える」

「ボクにも教えてください!」

少女が走ってきた

「ヴィルスが行くなら私も教えてください!」

「おう……分かった。じゃあ近くの喫茶店でも行く?」

「そうしましょう!サーガさん!」



      魔界

「アロットが死んだか…」

「ボス!アロットの死体を回収しました!」

「分かった。せっかくなら最後まで使ってやろう。ヘルムよ…この死体を好きに改造して良いぞ」

「全く……分かりましたよ。どうせ戦力にしないと怒るんでしょ?」

「よく分かっているな。あぁそうだ。そしてヘルムにもう一つ仕事をあげよう」

「何ですか?」

「ヴィルス・フューリーのことについて調べてくれ」

「分かりました。ちょうど僕も気になっていたんですよ。争いを好まない新たなフューリー族の人間について。もしかしたらですが……」

「あぁ分かっている。それも含めて調べてきてくれ」

「了解」



続く

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僕の固有スキルは「物語を現実にする力」なので転生した異世界先で固有スキルと魔術だけで世界の王まで成り上がります 玖伝 飛鳥 @kudenasuka16

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