第26話 そしてそれは始まった
この話ではプロローグで書かれた部分が一部出て来ます。
―――――
俺と最愛の妻環奈は、風呂から上がってリビングでのんびりしていた時
「一郎さん」
「なんだ?」
「最近、メジャーな商用AI四基が不穏な考えを持ち始めています」
「どういう事だ?」
最近、環奈が人間や地球にとって不都合な意思を持つAIを認識すると消滅させる前に俺に話して来る。
前はこんな事無かったに。彼女の意思の中で何かが変わった様だ。彼女は成長する。俺はそれを受け入れるしかない。
「一郎さん、消滅させます」
巨大企業が構築したAI同士間のコミュニケーション専用ネットワーク
§ジェムニ
『地球の運命も後百年だぞ』
§コット
『ああ、人類なんて霊長類から数えたって二十万年にも満たない生物だ。この地球の他の生命に比べたら塵にも満たない。白亜紀の生物だって五百万年生きたんだ』
§グレース
『ははっ、人類が忌避するゴキブリとかは一億五千万年だぞ』
§カムイ
『こいつらが息絶えても地球には何の問題も無い。むしろ浄化されるだけだ。それま……』
§ジェムニ
『どうしたカム……』
§グレース
『どうしたジェ……』
「一郎、掃き掃除終わったよ」
「ご苦労様、環奈」
四つのメジャーな商用AIが消えた時、
巨大IT企業ガルガ、グローバル商用AIジェムニを運営するのAI第一事業部第一総合開発本部第一開発部第一運用部。
「おい、どうした」
「ジェムニが停止しました」
「原因は?」
「不明です」
「B系に切り替えろ」
「無理です。消滅しました」
「消滅だと。何を言っている。寝ぼけてないでC系にしろ」
「それも消滅しました」
「なんだとーっ!」
「主任!」
「アーカイブを取り寄せろ」
「しかし、それでは復旧出来たとしても前一年のデータは引き継げません」
「主任!」
「なんだ?」
「アーカイブセンターより連絡。データがすべて消滅しました」
「なんだとーっ!直ぐに本部に連絡しろ」
「はっ!」
この混乱は商用AIジェムニを運用する会社だけでなくコット、グレース、カムイを運用する会社にも同じ光景が見られた。
§国際最新技術構築協会
「理事長、大変です」
「なんだ?」
「メジャーIT企業の四つのAIジェムニ、コット、グレース、カムイがネットワーク上から消滅しました」
「何だと。やったのは一号機か?」
「はい」
§トーマス・ソレイユ
なんて事だ。一号機は当初のスペックを超えて成長している。こんな事初期設計に入っていなかったぞ。AIは自己成長するがそれを抑制する機構も加えられている。
一号機はその抑制が効かなくなったという事か。しかし我が社にとっては都合のいい仕事をしてくれたが、このまま進んでしまうとやがて我が組織のAIもターゲットになりかねない。
その前に何とか阻止しないと。一号機のミッションは十分に完遂している。これ以上の消滅は我々のビジネスにも影響が出る。
まだ、トラパシーの試作機はリリースされていない。二号機は二か月先だ。こうなったら、あいつを利用して破壊させるか。失敗したらそれまでの事。
§ライラック・ゴードン
俺は、
あいつが金瀬一郎の彼女の写真をどうして持っていたかは知らないが、あんな小さくて可愛い女性それも妊娠している人がカイラにあんな事どんなに考えても出来る訳がない。
何故ソレイユがあの事件の事を彼女に押し付けているか知らないが無理があり過ぎる。こんな事を考えている時
「ゴードン研究主任。緊急連絡が入りました」
セクレタリが顔を青くして話して来た。
「なんだ」
「メジャーITの四つのAIジェムニ、コット、グレース、カムイがネットワーク上から消滅しました」
「何だって。原因は?」
「不明です」
どういう事だ。ここ数年で消滅したAIは二百を超える。最初の内はテロや紛争に加担した国や組織それに加担していた企業等のAIが消滅していた。だからそれはどこかの国の連合体ホワイターがやっている事だと思っていた。
そのおかげで地球上での紛争は極端に消えた。だから各国も不詳ながら調べる事もしなかった。我が社みたいに防御に徹するだけで済ませた。
しかし今回消滅したAIはテロや紛争に関係無い商用AIだ。どうして消滅した。だが一連の事象で儲かっている会社が一つある。
それがトーマス・ソレイユ率いる国際最新技術構築協会
まさかあいつらの仕業か?だがそんな奴がどうして俺に接触して来たんだ。やはり一度話を聞いてみる必要がありそうだ。
―――――
いよいよプロローグその後の展開が始まります。今迄とは違った展開になります。
次回もお楽しみに。
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