愉快な旅猫トゥーニャ
イリスはおじさんに言われた通り、町の奥を目指して歩きます。
「素敵なお嬢さん、何処に行くんだい?」
途中、緑の帽子を被った猫に声を掛けられました。
「山へ行く為に洋服屋を探しているの。
この格好じゃ折角のドレスが汚れてしまうもの。」
猫はふぅーむ、と唸るとポンと手のひらを叩きました。
「よぅーし、それじゃあ、僕が案内しよう!僕の名前はトゥーニャ。しがない旅人ならぬ旅猫さ。」
トゥーニャは笑うとどんどんと先へ進みます。
「あぁっ!!待って!」
イリスは急いで彼の後を追いました。
「トゥーニャ、貴方はどうして旅をしているの?」
イリスが尋ねると彼は足を止めて語り始めました。
「僕は冒険が好きなんだ。色んな生き物に出会って話をしたり、まだ見ぬ場所へ向かうのはとてもワクワクするからね!そういえば君の名前を聞いて居なかったな。」
イリスが名乗り、これまでの事情を話すとトゥーニャはうんうんと頷きました。
「君も冒険が好きなのかい!嬉しいねぇ。じゃあ僕達は仲間だ。イリスは今日初めて家を出たんだろう?だったら今日がイリスの門出の日だね!」
彼は手持ちの水筒を開けて中見を飲み干すとイリスに言いました。
「きっとその鍵の持ち主が見つかったら、君も幸せだろうね。」
イリスが頷くと2人はまた歩き始めました。
イリスの小さな冒険譚 @renn_shituki
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