小さな街トルフェン
最初にイリスがやって来た街は森に一番近い小さな街トルフェンでした。
「やぁ、嬢ちゃん、メロンはいらないかい?」
町に着くといきなり声を掛けられました。
「いらないわ。メロンなら家に沢山有るもの。」
「そうかい?じゃあレモンティーはどうだい?
冷たくて美味しいよ。」
「いらないわ。レモンティーならついさっき飲んだばかりよ。」
イリスはお姫様なので、大抵のものは口にしたことが有りました。
「そうだわ、おじさん、これについて知らないかしら?」
イリスは鍵を行商人のおじさんに見せました。
「見事な細工の鍵だね!うーん…悪いけど、分からないなぁ。」
「そう。そんな簡単には見つからないわよね。」
イリスはがっかりしましたが、ここで諦める訳にはいきません。
「そうだ!カラスに聞いてみるというのはどうだろう?彼らは光り物が好きだからね。」
成る程、それはいいアイデアだと思いました。
「ありがとう、おじさん!」
イリスはカラスを探しに行く事にしました。
「カラスって何処に居るのかしら?」
「多分、山の麓にあるカラスの巣に行けばいいと思うよ。でも、ちょっと待った。その格好で山へ向かうつもりかい?」
イリスが着ていたのは上等な黒のドレスでした。
「山に行く前に洋服屋に行って着替えた方がいいよ。洋服屋はこの町の奥に有るよ。」
おじさんの言葉に従い、次は洋服屋へと向かう事にしました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます