第7話
一泊の出張が終わり、ちょっと疲れて帰って来た。
まだ夕方前だから隣人は飲んではいないだろう。どちらにしても頭痛もするので早く横になりたくて、とりあえずシャワーを浴びてベッドに入った。
ボクが居ても居なくてもドンドン太鼓は鳴るんだろうかなどと考えている内にいつの間にか眠ってしまった。
「ドン!ドン!」と床か何かを叩く音で目を覚ます。
カーテンを閉め忘れていたが外はすっかり暗くなっていた。
まだ頭痛がする。今日は応える気にもなれなくて放っておいた。1時間以上断続的に鳴り続けてちょっと勘弁して欲しいと思った。
出張の翌日はリフレッシュのために休暇になる。仕事は大変だがこういう規則はありがたい。
ボクは明日相手にするから、という気持ちで耳を塞いで寝た。カミナリの時もこうして寝るのだ。
また目を覚ました。
叩く様な音はまだ続いていて、その音に混じって何か話し声がする。珍しく客が来ているのか独り言なのか分からない。
だいぶ飲んでるのだろうと少し気になる。
頭痛も治まったボクはベッドから這い出し部屋着に着替えた。
そういえば以前ゴルフの話になった時、自分も昔はコースを廻ったもんだと話していたのを思い出した。
今度、久しぶりに見せてくれとも言っていたっけ。
特に土産もないので、ボクはゴルフバッグを担いで隣人のチャイムを鳴らした。
何度か鳴らすが応答がない。死んでいるのかも、と嫌な考えが浮かんだ時、ガチャッとドアが開いて隣人が不愉快そうな顔を覗かせた。目が完全に座ってる。
「あ、どうも。夜分すみません」
隣人はあまり嬉しそうでは無かったが、チェーンを外し黙って迎え入れてくれた。
今日は日が悪かったかも知れない。
そう思ったがもう来てしまったので、そのまま中に入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます