第2話 おっぱいの旅に出る

 鬼の形相で走ってくる彼らに対して、俺は必死に弁明を図る。


「ちょっ、待ってくれ!これは俺じゃなくて、こいつがわざとこの体勢にしただけで……俺が悪いように見えるだろうけど、」


 そう言いながら少女へと目を向け誤解を解いてもらおうとした。


 俺の真下で横たわる少女は眠っている。


 そしてどういうわけか、全く別の少女へと変わっていた。


 顔も違い、あんだけデカかった乳はどこにもなく、凹凸すらない。


「え、いや、違っ……確かにここにデカ乳ロリがいたんだっ───…」


「言い訳はいらねぇよ!!俺の娘を襲ったこの状況が全てだっ!!」


「ブフッ──!?」


 四つん這いの状態の俺に、下から強烈な蹴りを繰り出してきた。


 顔面を蹴られ、横に思い切り吹っ飛んだ。


 顎下に激しい痛みを感じながらも脳内は困惑した状態でいる。


 おっぱいを揉ませてくれたデカ乳ロリはあろうことか、顔も変わってただの少女の姿になっていた。


 一体何が起きているのか理解できないまま、俺は駆けつけてきた数人の大人に連れられた。




 後に目を覚ました少女は、出来事を終始覚えておらず何も分からないと言っていた。


 だが偶然居合わせた人らには、俺が少女を今まさに襲おうとしていた場面に見えていた。


 その目撃証言が全てとなり、俺の弁明も虚しく村で初めて生まれた犯罪者となった。


 強姦魔として村の全ての人たちから蔑まれた。


 しかしこの村には法律などなく、掟に則って裁かれることはない。


 村の外部の人間だということで、追放という形で村を追い出されることになった。


「……マルカくん。その、私……」


「言い訳にしか聞こえないと思いますけど、俺は少女を襲おうとしてはいません。偶々最悪なタイミングで目撃されただけで……」


 そう、本当にバッドタイミングに、しかもデカ乳ロリと入れ替わった少女の父親に見られたんだ、最悪としか言いようがない。


 小児性愛者でもなければロリコンでもない、強姦の趣味なんて微塵もない。


 だがそこにデカ乳があったら揉まざるを得ないだろうということだ。


 ロリが自らのおっぱいを差し出して「揉む?」なんて言ってきたら誰だってYESと言ってしまうだろう。


「分かってるよ、私はマルカくんを信じる。だからその……」


 モジモジと何かを待っているアレナさん。


「ごめんアレナさん、このタイミングでアレナさんを無理やり連れて行くことは俺にはできない。その、俺にはおっぱいが……」


「え……?おっぱいって……?」


「あっいや何でもない気にしないで。……それよりも、俺は犯罪者としてこの村を出るんだ。やらなければいけない事だっておっぱい、じゃなくていっぱいある。仮にアレナさんと一緒にこの村を出たところで、俺にアレナさんを幸せにできる自信がない」


 戸惑いと不安の表情を見せる彼女に対して、俺は誠意を示しながらそう言った。


 16年間一緒に過ごしてきて、紛うことなく俺はアレナさんが好きだ。


 好きだからこそこんな形で果たしたくはない。


「だからアレナさん……いやアレナ、一度でいいから、俺におっぱいを揉ませてくれないか……?」


 悪ふざけなどなく、至極真剣な目で彼女を見つめてそう言った。


「次にまた会うその時まで、きみを覚えていたいんだ」


「マルカ………いいよ。私のおっぱい沢山揉んで?今までもこれからもずっと、あなただけのおっぱいだから」


 ふわりと手を当てると、こちらが揉んでいるはずなのに乳の方から包まれるような感覚になる。


 おっぱいというものの要素を全て詰めたようなおっぱいがこれで、俺はこのおっぱいによっておっぱいの道が開かれた。


 どこまでも指が沈んでいくような柔らかさと、手のひらに収まるか収まらないかギリギリのサイズの美乳。


 何しろ服越しでも分かる先端の突起が手のひらに伝わってくる。


「んっ……//」


 乳首を手のひらで擦ると、気持ちよさそうな声を漏らすアレナ。


 アレナのおっぱいを存分に手のひらに記憶させてから、俺は村から出た。


 今思えば、おっぱいを揉ませてくれたあのデカ乳ロリは、もしやおっぱいの神なのではないだろうか。


 おっぱい神が俺の前に現れ、揉ませてくれたから、俺はおっぱいマスターになった。


 ……いや、あれはスキルの名前か。


 スキルを獲得することができたのはいいが、おっぱいマスターというスキルで何ができるのかは皆目見当もつかない。


 名前からして戦うスキルでもなければ役に立つスキルにも思えない。


 しかし俺にとっては天職ならぬ天スキルだ。


 それにもしかしたらスキルの恩恵の一つかもしれないことがある。


 手のひらにまだ残るアレナのおっぱいの感触が鮮明に分かる。


 揉んだおっぱいを一生忘れない、とかだったら最高だ。


 キスとかではなくおっぱい揉みを頼んで正解だった。


 どこかの見知らぬ輩が仮にアレナのおっぱいを揉んだ瞬間に俺へ知らせが届くシステムもあればなお良い。


 何れにしてもスキルに関して何も知らないのは痛手だ。


 以前、村の人たちに聞いた話によるとスキルは神から授かる力の恩恵だから、教会でスキルについて詳しく知ることができると言っていた。


 もしかしたら教会に行けばまたおっぱい神──デカ乳ロリに会えるかも知れない。


 そうと決まれば、まず向かうべきは教会だ。


「教会、教会………それよりも先に街を探すべきか」


 あの村がどれだけ辺境の地にあるのかを思い知った。


 背には村が見え、あとは見渡す限り荒野が広がっている。


 ぱっと見でどこにも街なんか見えやしない。


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デカ乳ロリのおっぱいを揉んだらスキル覚醒した。スキル【おっぱいマスター】でおっぱい軍団をつくります はるのはるか @nchnngh

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