動物の友情も其々なのだ
犬や猫以外のペットのことを「エキゾチックアニマル」と呼称します。
ウサギやインコやハムスターなどがそれに該当するのですが、「デグー」という動物をご存知でしょうか?
あまりメジャーな存在ではないかなと思うので少し説明をすると…デグーはデグー科デグー属に属する齧歯類の動物です。
見た目はネズミに似ていて、しっぽが長いです。大きさはゴールデンハムスターなどの大型のハムスターよりも少し大きめです。
動きはすばしっこく、リスに似ているような気もします。
頭が良く、教えれば芸も覚えますし、「おいで」や「おやつ」などの言葉も覚えることができます。
私は犬や猫が大好きなのは勿論なのですが、エキゾチックアニマルも大好きなので、デグーを飼っていたことがありました。
茶色の毛色だったので、名前は「あずき」と付けました。
一緒に過ごすなかで感心する出来事があったので、書いていこうと思います。
あずきを迎えてから7年目、犬を迎えることとなりました。
あずきはもともと、実家に住んでいた時期には犬と過ごしていたので、それ程心配はありませんでした。
やってきた子犬に
「ほら、先輩のあずきちゃんだよ。仲良くしてね。」
と紹介すると、子犬はケージを覗き込んで興味深々な様子。
そして、あずきもまた子犬に興味があるようで、近寄って来て鼻と鼻を突き合わせて挨拶をしていました。
デグーは「歌うアンデスのネズミ」という異名がある通り、よく鳴きます。
それも、15~17種類の鳴き声があるのだとか。
子犬に対しては「チッチッチ」と機嫌の良い声で鳴いていたので、仲良くなれそう!と私は嬉しく思いました。
ただ、いくらゲージ越しに仲良くしていても、いざ目の前にするとどうなるかは分かりません。
あずきは素早く部屋の中を走り回るので、犬も興奮して追いかけるかもしれませんし…特にデグーのしっぽは弱いので、噛まれてしまっては大変です。
あずきを部屋に出す際には、子犬をケージに入れることにしました。
そしてそれを何度か繰り返すうちに
「あずきの番だから、ケージに行ってね」
と子犬に声をかけると、自らケージに入ってくれるようにもなり、これには関心したものでした。
部屋に出してもらったあずきは、まずケージにいる子犬のもとに走って行き、鼻を突き合わせます。
「ありがとう」と言っているのか…はたまた「私の番だよ!」と威張っているのか(笑)
微笑ましい光景でした。
そして普段、あずきがケージにいる時には子犬の方から近寄って行き、気付いたあずきも駆け寄って来て、そのまま子犬がケージの目の前で伏せて2匹でしばらく過ごしている…なんていうこともありました。
何か喋っているのだろうな…という空気感がそこにはありました。
そんなある日のこと。
私は実家に帰省中で、家には旦那だけという状況の時でした。
夕食を食べていると「クゥーン、クゥーン」と子犬の悲しそうな声が聞こえてきたそうです。
今までそんな鳴き方をしたことはなかったので、どうしたのかと心配して子犬の方に目をやると、あずきのケージの前に立ってこちらをじっと見つめていたそうです。
「おいで」と言うとこちらに駆け寄って来たため、怪我をしている様子はないようでした。
それでもなんだか落ち着かず、胸騒ぎがした旦那はあずきの様子を見に行くことにしたそうです。
すると、なんとそこにはハンモックに片足が引っ掛かったまま、宙吊り状態になったあずきがいたのです。
慌ててあずきを抱っこして床に下ろしてやると、脱臼している様子はなかったので一先ず安心したとのことでした。
宙吊りになっていた原因は、ハンモックにほつれている部分があった為に、そこに爪が引っ掛かってしまったのでした。
その後もあずきの健康に問題はなく、翌日から元気に走り回っていたので健康に問題はありませんでした。
ですが…もしあの時子犬が鳴いて教えてくれていなかったら、発見が遅れて骨折などの危険があったと思います。
最悪の場合、命に関わっていたことと思います。
あずきのピンチに気が付き、教えてくれたことには本当に、感謝しかありません。
犬とデグーという、異種同士の関係ではありますが、2匹の間には友情や親愛が育まれていたのだと思います。
そんなあずきもこの出来事の1年後に永眠しました。
あずきの声が聞こえない生活はとても寂しく、あんなに小さな動物でも、その存在は大きなものだったのだと実感します。
今は子犬も成長しましたが、友達がいなくなってしまった寂しさは感じていることだろうと思います。
またいつか、ご縁があったらデグーをお迎えしたいなぁとぼんやりと考えている私です。
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