第50話 青春の回帰


 夕食を食べ終わって少しの間だけまったりタイム。

 佳純かすみちゃんの入れてくれた紅茶を飲みながら三人で談話に花が咲く。


 どうやら先日のネトラセ動画の後、アヤちゃんはお泊まりをして佳純かすみちゃんと長く長く語り合ったらしい。


 俺たちの馴れ初めから初デートやらなにやら。


 思い出の出来事のあらゆることを佳純かすみちゃんに共有し、果ては初めての夜の事まで話したそうな。


 俺の失敗談を聞かれてしまって非常に恥ずかしかったが、彼女にとってはそれすら美しい思い出だという。


 もちろん俺だって大好きなアヤちゃんと繋がれた最高の思い出であるが、それ故にあの大失敗をいまだに悔やんでもいる。


「それでね、今日の動画撮影なんだけど、愛也奈あやなちゃんのアイデアでちょっと考えた事があって」


「アイデア?」


◇◇◇◇◇◇


 それは一度目のネトラセ動画を撮影した日、俺が帰った後に二人で話し合った時にあった会話らしい。


「ねえカスミン、ゆう君の好きなエッチの仕方だけどさ……ゆう君たぶん、制服エッチ好きだよ」

「制服?」

「高校の制服って持ってる?」


「う、うん。実家にまだあると思うけど」


「それ、こっちにもってこれないかな」

「あ、制服エッチってそういう……分かった。お母さんに聞いてみるね」


 ということがあって、実家に制服を取りに行ったらしい。


 なんのために持って行くのか追求されたが友達同士で思い出語りするだのなんだのと誤魔化したということだ。


 まああながち嘘でもないのがミソだな。


 そういうわけで、俺は佳純かすみちゃんが着替えるのをベッドに座りながら待っていた。


 ◇◇◇◇◇◇


「お待たせ……」


 頬を染めた佳純かすみちゃんがアヤちゃんと共に洗面所から出てきたのは、待つこと10分ほど後だった。


「おお……佳純かすみちゃんの制服姿……初めて見る」


 そう、それは初めて見る姿だった。

 そのチャンスは敢えて言うなら入試の頃だったのだが、そのチャンスは高彦に独占されてしまった。


 初めて見る青春の回帰。

 その姿は爽やかなスカイブルーの襟が可愛いセーラー服。


 プリーツのスカートは清楚な彼女らしく膝丈に整えられている。


「これ、ゆう君が好きかと思って髪型変えてもらったんだけど、ポニーテールだと私と被っちゃうからツインテールにしてみたよ」


 髪を二つに結んだ佳純かすみちゃんは清楚さに加えて甘味のある雰囲気が加わって可愛らしさが増していた。


「可愛い……めちゃくちゃ可愛い」

「あ、あんまり褒められると照れくさいよ……」


 初めて見る青春を現わした恋人の姿に身体の奥からズクズクしたものがせり上がってくる。


 アヤちゃんが整えたらしいツインテールは恐ろしいほどに佳純かすみちゃんに似合っている。


「気にしない気にしない。つい一昨年まで着ていた服なんだからそうそう変わんないって」


 確かにアヤちゃんの言うことは正しい。しかし、その胸部には彼女が当時よりも成長したであろう確かな証がミチミチと広がって主張している。


「ちょっと胸のところがキツいんだよね」

「それはそれでエロいから問題無しッ!」


「それって佳純かすみちゃんの高校の制服?」


 正直もう勃起が始まってしまっているが、アヤちゃんの手前野獣になるわけにはいかないので話題を振ってみる。


「う、うん。ちょっと胸がキツいけど、まだ着られて良かったよ。どうかな? 変じゃない?」

「さっき言った通りだよ。めちゃくちゃ可愛い。凄く似合ってるよ」


「えへへ、ちょっと照れくさいね……」


 佳純かすみちゃんは照れ笑いを浮かべながらベッドに座り込む。


 スカートがフワリと舞い広がって女の子座りが際立った。


 胸がキツいという宣言の通り、制服の胸元がギチギチに張り詰めていて、隙間から微かにブラジャーの柄が見えてしまっている。


 健康的でありながら限り無いエロスを演出している姿は、アヤちゃんの前だというのに飛びかかりそうになる自分を必死に抑えなければならないほどだ。


 撮影のことなんて忘れて一晩中イチャイチャしたい。


 真面目な彼女らしい膝丈のスカートが却って欲情をそそるのは間違いない。


 俺の股間は早くも脈打ち始め、鼻息が荒くならないように律するのが大変であった。


「それじゃあ始めようか……。アヤちゃん、準備はいいかな?」

「うん、まかせて」


 そして今日も撮影が始まる。


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