第13話 寝取らせ本番
「高彦君……見てる? 約束通り、今から勇太郎君とエッチするよ。私が勇太郎君に奪われちゃうところ、しっかり見ててね……」
俺はカメラを意識しながら
「大丈夫、大丈夫だからね……途中で嫌になったらやめて良いから」
「……ッ、ぅん」
一方で、俺の心臓も破裂しそうなほど高鳴っていた。
童貞ではないが、初恋の女の子の唇が、今まさに目の前に差し出されているのだ。
興奮しない方がどうかしている。
「
「ん……」
甘い綿菓子を少しずつ溶かすように触れては離れての繰り返し。
初恋の女の子に、俺はキスをしている。感動で泣きそうだ。
惜しむらくは、この唇が他人のものだということだ。
まだキスにすら抵抗があるのだろう。
身を強張らせて小さな肩が震えている。
俺は彼女に出来るだけ自然に受け入れてもらうためにゆっくりと歩み寄るように優しいキスを繰り返す。
「ぁ……勇太郎、くん……」
「
俺は
「ぅ、んぅ……あんまり見つめられると、恥ずかしいよ……」
「だって、こんなに綺麗だから」
この瞳にずっと憧れていたから……その言葉が喉まで出かかってグッとこらえる。
俺の気持ちは、絶対に伝えてはならない。
それは本気の証になってしまうから。
そこに本気の横恋慕の情が垣間見えてしまったら、彼女はきっと平静ではいられなくなってしまうだろう。
あくまで紳士的に。
俺は頼み事を受け入れているだけ。
今日が終われば、彼女はまた他人の恋人に戻っていく。
……いや、今の状況でさえ、その恋人のためなのだ。
そのスタンスを崩してはならない。
しかし、
正直、すぐにでもベッドに押し倒し、覆い被さって思い切り口の中を吸いたい。
舌を絡ませて、口内を
力の限り、欲望のままに、溢れ出る情熱を身体全部で表現して彼女に
だがそれはしない。できない。
高彦にとってはもどかしい撮れ高になるだろうが、俺にとって優先すべきは
「キスって気持ち良いんだね」
徐々に、徐々に……
垂れ下がってひたすら羞恥に耐えていた彼女の腕が、俺の胸板に添えられたのが分かる。
俺は少し大胆に強く彼女を抱き締める。
慌てないように、ゆったりとした動きで。
「佳純ちゃん……」
微かな強張り。しかし抵抗はない。
すぐに身体の緊張はゆるみ、胸板の指が背中に回されて、彼女の方から抱き締めてくれた。
「んぅ……もう少し、強くして良いよ……」
もどかしいのだろう。少しずつ心もほぐれてきた気がする。
「先に進むよ」
「う、うん……あ、あの……」
「なに?」
「私、その……高彦君しか知らないから……その」
「分かった」
何が分かったのか、俺にも分からない。
彼女が何を言いたかったのか、彼女自身も分かってないのかもしれない。
恐らくはこれから始まることへの恐怖が、自己防衛で口を動かしたのだろう。
だが、俺の内側から溢れ出てきた途轍もなく黒い気持ちは、ハッキリと自覚した。
彼女に悪気はないのだろう。当然だ。彼女は俺に惚れているわけでもなく、仕方なくここにいるのだから。
だけど
君に惚れている男の前で、他の男に抱かれたのだという事実を突きつけることが、どれだけ残酷か。
彼女にとっては何でも無い言葉。
しかし、俺が
俺は押し倒したくなる衝動に耐えながら先に進む。
「それじゃあ、高彦に見せつけないとな……」
これは寝取りであることを思いだし、カメラを意識させる位置まで移動させた。
「高彦、見えるか? お前の大事な
だが今の俺には少し余裕がない。
嫉妬と焦燥感と性的衝動が入り交じって、本気で彼女を落としてやりたくなってしまった。
◇◇◇
「はぁ、はぁ、はぁ……これって……」
「もしかして初めてだったかな?」
「これが、気持ち良いって、こと……ぅう、は、恥ずかしいから、今の顔見ないで」
佳純ちゃんは上半身への行為だけで未経験の快楽に翻弄された。
顔はこれでもかと真っ赤になる。
俺は未経験の快感を与えられたことに凄まじい優越感を感じ、興奮で彼女を抱き締めたくなる衝動にもう何度目になるか分からないくらい耐えながらもう一度キスをした。
さあ、本番はこっからだ。
――――――
後書き
最終話まで準備し終わりました。なのでこの物語は完結保証。
安心してお楽しみくださいませ。
是非とも★★★レビュー、ご意見ご感想お待ちしてます
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