◆ 【MAIN SCENARIO:ウェーバード博物館の『金剛の涙』】◆
◆ 【MAIN SCENARIO:ウェーバード博物館の『金剛の涙』】◆
【概要】
ファゲルズァート島最大の都市リンプレントにあるゼームズ・ウェーバード博士記念博物館、通称ウェーバード博物館が世界最大のダイアモンドと言われる『金剛の涙』を購入し、博物館で展示されることとなった。
その噂を聞きつけたのか、大泥棒
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・ツェペエリ・ウェーバード
ウェーバード博物館の館長を務めるモノクルを掛けた白髪の老紳士。
ゼームズ・ウェーバード博士記念博物館を建てる切っ掛けとなった考古学者のゼームズ・ウェーバード博士の孫に当たる。
父であるセブルス・ウェーバード(偉大な父と比較されることを嫌ってセブルス・コネリーと名乗っていた)は冒険家で若き日のウィリアム=マグヴェスと共にタッグを組んでいたが、とある遺跡探索の際に事故に巻き込まれて死亡した……ことになっている。『金剛の涙』はその古代遺跡から発見されたもの。
祖父の遺言と周囲の後押しを受け、祖父のコレクションなどをウェーバード博物館に展示して一般公開して大切に守ってきた。
館長としては働く傍ら、冒険家として活動していた父の足跡を追っており、紆余曲折を経てウィリアム=マグヴェスと父であるセブルス・ウェーバードがタッグを組んでいたこととウィリアムが事故に見せかけて遺跡の中で父セブルスを殺害したことを知る。
ウィリアムに『金剛の涙』を譲ってもらえないかと交渉をして対価として一億ユーロという破格の金額を提示し、商談を成功させる。しかし、その商談は隠れ蓑でありウィリアムを油断させて殺害し、アリバイも完璧にあるほとんど完全犯罪に近い形で『金剛の涙』を手中に収めた。
『金剛の涙』が盗まれた日の三日後、館長室で変死体として発見された。
「『金剛の涙』の秘密を知っているのではないか?」と疑われた結果の殺害だった。
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【NPC】ツェペエリ・ウェーバード
STR:70
CON:70
SIZ:70
DEX:80
INT:80
POW:70
APP:60
正気度:70
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<考古学:70%>
<博物館経営:70%>
<信用:80%>
<図書館:90%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):80%>
※その他の技能は初期値です。
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・ウィリアム=マグヴェス
世界最大のダイアモンドと言われる『金剛の涙』を保有していた大富豪。フランス人。
若い頃は冒険家として名を馳せていた。
ウェーバード博物館に『金剛の涙』を売却した前後に変死体として発見されている。
とある古代遺跡を探索した際にセブルス・コネリーを殺害して財宝を独り占めした。大富豪としての富は古代遺跡の財宝を売却することで得たものである。
・
世界有数の名探偵で、『和製ホームズ』の異名で知られている。
大泥棒の
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【NPC】護堂晴充
STR:70
CON:80
SIZ:70
DEX:70
INT:165
POW:60
APP:70
正気度:60
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<近接戦闘(格闘):60%>
<推理:100%>推理に特化した技能。事件に関連する情報調査や推理の組み立てに長ける。この技能に成功した場合、事件解決に繋がるヒントを閃くことや、手に入れた情報から犯人を導くことができる。
<信用:100%>
<説得:90%>
<言いくるめ:90%>
<法律:100%>
<科学(法医学):100%>
<変装:50%>
<回避:80%>
<図書館:100%>
<目星:100%>
<聞き耳:100%>
<母国語(日本語):100%>
<外国語(全ての言語):80%>
※その他の技能は初期値です。
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・
伝説の怪盗、
世界最大のダイアモンドと言われる『金剛の涙』を狙ってウェーバード博物館に忍び込み、警備の目を掻い潜って奪取に成功する。その後、燦星の行動を推理して先読みした晴充に追われる形となり、高度な心理戦を繰り広げることになるが、パニックを引き起こしてその騒動を利用して博物館に侵入した黒ずくめの男によって射殺されて『金剛の涙』を奪われた。
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【NPC】盗道燦星
STR:90
CON:90
SIZ:70
DEX:160
INT:165
POW:60
APP:80
正気度:60
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<近接戦闘(格闘):60%>
<射撃(拳銃):50%>
<投擲:70%>
<泥棒:90%>
<奇術:80%>
<変装:80%>
<隠密:90%>
<回避:70%>
<母国語(日本語):100%>
<外国語(全ての言語):80%>
※その他の技能は初期値です。
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・ルミナス=シエスタ
ファゲルズァート島で信仰されている聖夜教の七つある教会を束ねるリンプレント聖統教会のトップに立つ聖教女。
銀髪碧眼の絶世の美貌を持つ女性で、慈悲深い聖女として信徒だけでなくリンプレントの人々にも慕われている。
その裏の顔は邪悪なる神である【夜の神】ゼファシェルを崇める邪教徒。そもそも、リンプレント聖統教会の正体は邪神を崇める邪教であり、リンプレント聖統教会の実態は邪神信仰を隠すための隠れ蓑である。
膨大な魔力が込められている『金剛の涙』の存在を知り、幹部であるピスコとコニャックを派遣して『金剛の涙』を奪取した。
その後、『金剛の涙』の力を使って禁断の魔術を使い、【夜の神】ゼファシェルの復活を目論む。
・ピスコ
コードネームはブドウ果汁を使った蒸留酒から。
黒いスーツを纏った青髪の鋭い目つきの殺し屋。優れた狙撃の腕を持ち、超遠距離から逃走中の燦星の眉間を撃ち抜いた。
その正体はリンプレント聖統教会の裏の顔である邪教の幹部の一人である。
・コニャック
コードネームはブドウを使った蒸留酒から。
黒いスーツを纏い、黒い帽子を被った黒髪のサングラス姿の男。ピスコとは違ってがっしりとした体格をしている。
博物館の客を殺害して騒動を起こし、その隙に『金剛の涙』を盗んだ。
ピスコと同格の幹部だが、ピスコのことを兄貴と慕っている。
・【夜の神】ゼファシェル
退廃と崩壊を司る邪悪な神。
リンプレント聖統教会の神話では【昼の神】の加護を受けた大聖教女アナスタシアの手によって封印されたとされる。
その正体はリンプレント聖統教会の大聖教女アナスタシアが妄想で生み出した存在。
当時、厨二病のようなものを患っていたアナスタシアは空想で【夜の神】ゼファシェルという邪神を生み出し、その神を【昼の神】から力を得た自分が封印したという噂を流した。
承認欲求が強く権力への執着も強かったアナスタシアはその噂を使って新興宗教のリンプレント聖統教会を打ち立てて大聖教女、つまりはその宗教の頂点に君臨することを目論んだのである。
本来であればそのような話を信じる筈がないが、百年に一度の不作や凄惨な事件の頻発などが奇跡的に重なって当時のファゲルズァート島は荒廃しており、アナスタシアが噂を流した頃にそういった問題が起こら
なくなって平和になったため、彼女の言葉が信じられてしまう事態となった。
また、彼女が「リンプレント聖統教会の正体は邪神を崇める邪教であり、リンプレント聖統教会の実態は邪神信仰を隠すための隠れ蓑。【夜の神】ゼファシェルを復活させることが教会の最終目標である」という設定を厨二病の影響で残しており、これがルミナス達の暴走と殺人事件に繋がることとなる。
作中で登場する【夜の神】ゼファシェルは『金剛の涙』の力で妄想を具現化されたものであり、実際に【夜の神】ゼファシェルという存在がいる訳ではない。全ては厨二病女の傍迷惑な妄想の産物である。
【シナリオの導入】
大都市リンプレントの街中で情報を収集する、或いは港町リュレーエの市場で玲奈から話を聞いた上で館に行くことを断ることでフラグが立ちます。玲奈の依頼を受けた場合は呪いの館の攻略後にフラグが立ちます。
【シナリオの流れ】
①シナリオ開始フラグを立てる。
本シナリオを開始するためには、シナリオ開始のフラグを立てる必要があります。
フラグを立てる前にウェーバード博物館に向かってもシナリオは開始させず、平時の図書館を見学することになります。
シナリオを開始する方法は二つで、一つ目は港町リュレーエの市場で玲奈から話を聞いた上で館に行くことを断るというものです。
既に 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】の項目にイベントの詳細は載せられていますが、こちらにも同様のイベントの情報を載せておきます。
【イベント:探偵助手の少女との出会い】
探偵風の少女(???)「あっ、あの!! 挙動不審でしたよね? す、すみません。私は
ここで探偵・護堂晴充を知っているか特殊なアイデアロールを行います。
護堂晴充は有名な探偵なので、<アイデア>に+30%して振ってください。
成功した場合、「護堂晴充が世界的に有名な名探偵であること」と、「伝説の怪盗、
失敗した場合は<コンピュータ>に成功することで上記の情報が入手可能です。
玲奈「私は護堂先生と一緒に依頼を受けて大樹海の中にある呪いの館を調査することになっていたのですが……先生は島に着くや否や、盗道燦星がリンプレントにあるウェーバード博物館が所蔵する『金剛の涙』と呼ばれる宝石を盗むと予告したと耳にしてしまいまして、依頼のことは私に任せて大都市リンプレントまで一人で行ってしまわれたのです。……の、呪われているっていう噂の館に一人でいくのが怖くて怖くて……助けて頂けませんか?」
ここで玲奈の依頼を断ることで、フラグが立ちます。なお、玲奈の依頼を受けた場合は呪いの館フラグが優先されるため、 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】のフラグが立たなくなります。
街で情報収集してフラグを立てようとした場合でもフラグを立てるために必要なイベントは発生しません。
玲奈とのイベントを発生させていない場合は、大都市リンプレントのリンプレント商店街で噂話を聞くことができます。
リンプレント商店街に入った時や、リンプレント商店街内の店を利用後に移動する際に<聞き耳>を振ってください。成功すると以下の噂話を聞くことができます。
【イベント:ウェーバード博物館の噂話】
マダムA「ねぇ、奥様聞いたかしら? ウェーバード博物館が『金剛の涙』というダイアモンドを手に入れたそうよ」
マダムB「あら、奥様。耳が早いのね。確か、異国の盗道燦星という怪盗が予告状を出したんじゃなかったかしら?」
マダムA「そうなのよ! で、博物館は警備員を集めたそうなんだけど、警備のアドバイザーとして島に来ていた護堂晴充って探偵を雇ったそうよ」
マダムB「確か、盗道燦星のライバルを名乗っている探偵よね。ここまでの勝負はほとんど引き分けに終わっていて、護堂晴充が警備に関わった博物館での盗難確率は五十パーセントだとか」
マダムA「今回はどちらが勝つのか、楽しみねー」
ここで探偵・護堂晴充を知っているか特殊なアイデアロールを行います。
護堂晴充は有名な探偵なので、<アイデア>に+30%して振ってください。
成功した場合、「護堂晴充が世界的に有名な名探偵であること」と、「伝説の怪盗、
失敗した場合は<コンピュータ>に成功することで上記の情報が入手可能です。
このイベントを見るか、【イベント:探偵助手の少女との出会い】でイベントのフラグを立てることでシナリオが開始できます。
②ウェーバード博物館を訪問する。
探索者達がウェーバード博物館に向かうと一階のエントランスで西洋人の老紳士と東洋人の探偵風の男が何やら話をしている場面に遭遇します。
ウェーバード博物館の詳細は◆【エリア紹介:大都市リンプレント】◆をご覧ください。
その後、イベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館①】
探索者達が博物館に入ってきたところで話が終わったのか、西洋人の老紳士は博物館のバックルームの奥へと消えていきました。
探偵風の男は探索者達のことを見つけると駆け寄ってきまくる。
???「初めまして、私は
ここで晴充の依頼に応じると、晴充は探索者達をバックルームの方へと連れていきます。
断った場合は「そうか……気が変わったらまた声をかけてくれ」と言って会話が終了となります。ここで断った場合も再び晴充と話すことで助手になる依頼を引き受けることが可能です。
③バックルームへ。
探索者達がバックルームに入ると博物館職員の女性が晴充と共にいる探索者達のことを発見し、イベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館②】
博物館職員「護堂さん! 部外者を連れてきたちゃダメじゃないですか!!」
晴充「部外者じゃない、助手だ。盗道燦星の逮捕に協力してくれることになった」
博物館職員「でも、晴充さんの助手って玲奈さんって方だけなんじゃ……」
晴充「だから、つい先ほど交渉をして助手になってもらったんだ」
博物館職員「さ、流石にさっき会ったばかりの方をバックルームに通す訳にはいきませんよ! バックルームには貴重なものも沢山ありますし! えっと……助手を引き受けたというお客様方、残念ながら現時点では部外者と言わざるを得ない皆様をこの先に通す訳にはいきません。しかし、怪盗逮捕に協力してくださるというのはありがたいことです。ですので、このような形ではどうでしょうか? 皆様には予告状にあった明日の深夜に当館に来て頂き、晴充様と共に『金剛の涙』の展示されている【特設展示室】の周辺で待機して頂きたいのです。怪盗が現れましたら、晴充様と協力して逮捕をして頂ければ幸いです。館長の方には私の方からお伝えしておきます。勿論、館長と交渉して謝礼をお支払いするようにお願いして参ります」
このイベント後、探索者達はバックルームの外に出されてしまいます。
④予告の日の深夜、ウェーバード博物館にて。
バックルームを追い出された後、晴充から「予告状には明日の深夜と書かれていた」ことを伝えられます。
晴充はその後バックルームに戻りますが、その際、「明日の夜に博物館の入り口まで来て欲しい。そこで合流して博物館の中に入ろう」と言われます。
予告の時間まで時間はあるため、ウェーバード博物館を巡ったり、装備などを整えたりといったそれぞれのやりたいことを進めておきましょう。
翌日の夜になると、探索者達は半ば強制的にウェーバード博物館に向かうことになります。
ウェーバード博物館の入り口で晴充と合流した探索者は【特別展示室】に向かうことになります。ここでイベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館③】
【特別展示室】には既に多数の警備員がいました。探索者達は晴充と共に少し離れた場所から【特別展示室】の様子を確認することになります。
そして、深夜零時になった瞬間――【特別展示室】を真っ白な煙が覆いました。
あれだけいた警備員が全て催眠ガスで眠らされ、無防備を晒す中、一人の白い衣装を纏った仮面の怪盗が姿を見せます。
晴充「盗道燦星!!」
燦星は晴充がいたことに少し驚いた様子でしたが、すぐに靴につけられたローラーを作動させて高速で博物館の中を駆け抜けていきます。
晴充「待て! 君達! このまま奴を追いかけてくれ! 私はバックルーム経由で挟み撃ちを仕掛ける!!」
晴充はバックルームの方へと消えていきます。探索者達は晴充に言われた通り燦星を追いかけることになります。
なお、ここでDEX対抗ロールは発生しません。どれだけDEXが高くても燦星に追いつくことはできませんが、燦星も探索者達から完全に逃げ切ることはできず、一定の距離をキープしています。
探索者達が晴充と合流し、燦星に挟撃を仕掛けますが、燦星を捕らえることはできません。
燦星は博物館の外まで来ると、どこからともなく気球を出現させ、空へと逃げようとします。
晴充「くっ……逃げられてしまったか」
と、次の瞬間、燦星の乗った気球のバルーン部分が破れ、落下を始めました。
ここで<目星>を振ってください。成功した場合は気球のバルーンが弾丸に撃ち抜かれて破れた光景を目撃するでしょう。
気球は街の外れの方へと落ちていきます。
晴充は気球を追っていきます。探索者達も晴充を追って街のハズレに向かうことになるでしょう。
その移動中に<聞き耳>を振ってください。ハード成功以上が出た場合な小さな銃声が探索者の耳朶を打ちます。
気球が落ちたところに向かうと、気球が落下しており、胸を撃ち抜かれた男の死体が転がっていました。
男は東洋人のようで、怪盗・盗道燦星と同じ白い衣装を着ています……が、胸元は真っ赤に汚れており、真っ赤な鮮血が地面に大きな赤い水溜まりを作っていました。
探索者達には<SAN値チェック:0/1D3>、晴光には<SAN値チェック:1D10+90/1D100+900>が発生します。
この時、晴充が発症する狂気は固定で<特殊な狂気・精神崩壊>を起こします。この時点では失神をするだけですが、意識を取り戻してもまともに会話もできず意思も薄弱した状態になってしまいます。
晴充はその後、彼が宿泊していたホテル『ラグジュアリー・ムーン』の一室に搬送されます。ホテル『ラグジュアリー・ムーン』の晴充の部屋に行くことで晴光に会うことはできますが、既に精神が崩壊しており、彼が探偵として今後の事件解決に関わることは不可能だと探索者達は本能的に察するでしょう。
この症状は彼の生きる理由だった盗道燦星の死が原因のため、<精神分析>でも絶対に治すことができません。また、盗道燦星に関する記憶を魔術で消しても、彼の大切な部分がぽっかりと消えてしまっているため、どちらにしろ彼が狂気から回復することはありません。
⑤ウェーバード博物館で目撃した事件について今分かっていることを伝えよう。
怪盗・盗道燦星の死体を調べた場合、『金剛の涙』が無くなっていることが分かります。
晴充がこれ以上事件に関われないため、探索者達が代わりにウェーバード博物館に怪盗・盗道燦星が殺害されたことや『金剛の涙』が何者かによって盗まれたことを報告しに行くことになります。
探索者達がウェーバード博物館に行かない場合はホテル『ラグジュアリー・ムーン』の従業員などを使ってウェーバード博物館に向かうように誘導してください。
バックルームには入れないため、探索者達は受付に向かうことになります。受付にロールプレイをして事情を説明すると、探索者達にバックルームに入るように促し、二階にある【館長室】に向かうように促します。
【館長室】に入るとイベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館④】
???「事情は職員から聞いているよ。初めまして、ツェペエリ・ウェーバードだ。この博物館で館長をしている。……大変なことに巻き込んでしまい申し訳ない。晴充殿も心を病んでしまったと聞いて申し訳ない気持ちでいっぱいだ」
ツェペエリ「本当はこんなこと頼むべきではないのだろうが、晴充殿の代わりにこの事件の解決に協力してもらえないだろうか? 私も個人的に事件解決に動くつもりだし、警察機関も動いてくれるようだが、犯人に皆目見当がつかない今の状態では猫の手も借りたいんだ。勿論、危険な目に遭うかもしれないのだからそれ相応のお礼はさせてもらう。協力して頂けるのであれば前金をお支払いしよう」
ここで応じた場合は100,000 円相当のお金を支払ってもらえます。
ツェペエリ「それと、博物館のバックルームに入れるように『許可証』を渡しておこう。事件解決のために必要であれば友好に活用してくれ」
ここでイベントは終了となります。ツェペエリがいるタイミングでは【館長室】を探索できないため、一度【館長室】を出ましょう。
しばらくすると、ツェペエリは【館長室】を出て施錠し、どこかにいきます。
ここから博物館の全域が調査対象に加わります。博物館の各所には警察官がいますが、話を聞いても「犯人に関する情報は今のところなく、捜査は暗礁に乗り上げている。もし、何か分かったら教えて欲しい」と言われ、特に情報は得られません。
ちなみに、探偵・護堂晴充の助手という肩書きがあるため、警察からも高い信頼を勝ち取ることができるでしょう。
⑥新たな事件発生
ウェーバード博物館は事件の日から休館となりますが、探索者は休館の博物館に入ることができます。
その後、二日間は何も起きませんが、三日目に新たな事件が起きます。
館長室の扉が破壊され、荒らされた館長室の中でツェペエリが冷たくなっていました。
<SAN値チェック:0/1D3>です。技能を振らなくても弾丸が胸元を貫通していることが分かります。
<科学(法医学)>か<医学>を振って成功すれば、彼が即死だったことが分かっていいでしょう。
その後、警察官がやってきてツェペエリの死体は運ばれています。
館長室は死体発見現場ですが、第一発見者が晴充の助手ということで「事件現場を荒らさないこと」を条件に先に調査することを許可してくれます。
机を探索することで、以下の殴り書きを入手することができます。事件後は<目星>か<幸運>に成功しなければ情報は出ません。
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ない! ないないないない!!
自宅も探した! 倉庫も探した! しかしない!
祖父の遺品はできる限り展示したい。あれも大切な品だ。どこだ! どこにある!!
仕方がないので記憶を頼りに絵に描いたが、あんなものではダメだ。……思い出せ、思い出せ。
リンプレントに移り住む前にはアルダヴ湖畔の屋敷に住んでいたが、あそこで管理していた美術品は全て運び出した。となると、やはりどこかに……。
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棚を探索した場合は事件に関係しそうな品が少なくとも棚にはないことが分かります。
少なくとも、今ある情報で犯人の特定はできないようです。
⑥′ 寄り道をする。
机のメモからアルダヴ湖畔の屋敷にツェペエリが探していたものがある可能性が浮上します。
実際にアルダヴ湖畔に向かい、アルダヴ湖のほとりでマダムから話を聞いた後、【SUB QUEST:元ウェーバード家別荘】を発生させて元ウェーバード家別荘を貰い受けると『古き教会の紋章』をお礼として受け取ることができます。
『古き教会の紋章』は本シナリオの秘密の解明に役立つだけでなく、シナリオのボスを簡単に倒す際にも役に立つため、ここで入手しておくと良いかもしれません。
⑦怪盗・盗道燦星殺害事件と館長殺人事件の下手人は?
博物館の職員に書き込みをする場合、「館長室で少し前に大規模な工事が行われた。壁に関する工事で、その後、館長が壁に何かをしていた姿を目撃したという情報がある」という情報を得られます。
この情報を得た後、壁の探索が可能になります。
<目星>に成功すれば、一箇所だけ色が薄い部分を発見できます。
壁は取り外せるようになっており、中から録音機器が出てきます。
長時間録音されているため全て確認するのであれば数日は掛かるでしょうが、<コンピュータ>に成功すれば10分ほどで特定できます。
館長と侵入者の男が話している音声と、「教会」というキーワードが録音された録音機器が日記帳と共に入っていました。
【イベント:ウェーバード博物館⑤】
ツェペエリ「そのペンダント……まさか、教会の……」
???「ちっ、気づきやがったようだな。だが、ここには誰もこねぇ。知ったところで、次の瞬間にはあの世行きだ! 冥土の土産にしな!」
???「まだサツの奴らがうろちょろしてやがります。どうします? アニキ?」
???「関係ない話だ。俺達は闇に溶けて消えるように逃げるだけのこと。コニャック、脱出準備を整えておけ!!」
その後、一発の銃声が鳴って再び無音となりました。
※暗殺者二人がこのタイミングでツェペエリ殺しを狙ったのは、博物館が手薄になったからです。ツェペエリは警察と交渉し、あえてこの日だけ警備を外して無防備な状況を作っていました。恐らく、犯人を特定するために命を賭けることを選んだのでしょう。
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・『ツェペエリの日記帳』
ウィリアム=マグヴェスとシンガポールで接触することに成功した。酒を飲ませたところ、ベロベロに酔っ払い、セブルス=コネリー……父とのことを教えてくれた。まあ、本人は酒の影響で覚えていないだろうが。
調べていた通り、父はウィリアムと若い頃にタッグを組んで冒険をしていたらしい。そして、砂漠の遺跡で大量の財宝を手にすることになった時、父を事故に見せかけて殺害して財宝を丸ごと手中に収めたようだ。
……大方予想通りだったな。
私がセブルス=ウェーバードの息子であることは知らないらしい。
『金剛の涙』に興味があると言ったら案の定吹っかけてきた。が、望むままに支払ってやる。
どうせ、地獄まで持っていけないんだからな。
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⑧犯人を追ってリンプレント聖統教会に向かう。
犯人が分かったところで探索者達はリンプレント聖統教会に向かうことになります。
リンプレント聖統教会の詳細は◆【エリア紹介:大都市リンプレント】◆をご覧ください。
まずは敵の拠点の入り口を探しましょう。
地下への階段はフラグがなくても見つけることはできますが、答えを知っていない限りは特定できないため、まずは情報を知っていそうな神父の部屋である【31神父私室】を目指しましょう。
【31神父私室】で事務用の机に<目星>を振って成功すると、机の引き出しから『教会本部の入り口』に関するメモを入手することができます。
どうやら各教会の神父に選ばれた者が【神父私室】と共にこの情報を継承するようです。紙には『内容を覚えたら処分するように』と書かれていましたが、何故か引き出しの中にそのまま残されていました。
メモの情報から地下への隠し階段が内陣にあることを突き止めることができます。
なお、昼は内陣に、夜は【31神父私室】にそれぞれ神父の姿があり、遭遇は避けられません。
神父の父は夜の時間帯にこの部屋に戻ってきます。
⑨地下への潜入
イベントは【42聖教女の部屋】と【邪教徒の祭壇】で発生します。
それ以外の部屋については鍵の掛かっている【43教団資料庫】以外は自由探索可能です。
ここからは戦闘が発生するため、【33暗殺者の部屋②】で武器を得ておくといいでしょう。
【41教団図書館】では【夜の神】信仰に纏わる『待夜の書』を入手することが可能です。シナリオの進行には影響を及ぼしませんが、彼らのバックグラウンドを知るのには役立ちます。
【42聖教女の部屋】の部屋に入ると自動的にイベントが発生します。
【イベント:聖教女の部屋にて】
教団幹部の私室と比べても更に絢爛豪華な部屋です。
白い壁に黄金をふんだんに使ったレリーフが数多く刻まれていて、真っ赤な絨毯が敷かれ、アンティークの高価な調度品が並べられています。
部屋には銀髪碧眼の絶世の美貌を持つ女性は、真っ白な修道服のようなものをその身に纏っています。
女性の隣には二人の黒いスーツの男達の姿がありました。二人とも探索者達の姿を見つけるなり銃を抜き、戦闘体制を整えます。
???「さて、間も無く儀式の時間ですわ。大いなる【夜の神】を復活させる大切な儀式です。……くれぐれも邪魔はさせないように」
???「これまで俺がぬかったことはあったか? 聖教女殿?」
聖教女「あら? こんなところまで鼠に入られている時点で貴方達は仕事に失敗したってことでしょう? 口を慎みなさいピスコ。では、私は儀式の間に向かうわ」
聖教女は扉をくぐり、分厚い扉を閉めてしまいました。ガチャリと音を立てて鍵が閉められてしまいます。
ピスコ「ここから先には通す訳にはいかない。好奇心は猫を殺す。ここまで来たのが運の尽きだったってことだ」
コニャック「どうせ【夜の神】が復活すれば世界は滅ぶ、今死ぬか後で死ぬかの些細な違いしかないんだぜ。……アニキと俺のコンビネーション、地獄への手土産にとくと味わってみな!!」
イベント終了後にピスコとコニャックとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
戦闘終了後、部屋の机に<目星>を振って成功すると『聖女の鍵』を入手することができます。
『聖女の鍵』を使えば聖教女が消えていった扉の先に行くことが可能です。
⑨′ 再び寄り道をする。
『聖女の鍵』で解禁されるのは【邪教徒の祭壇】への扉だけではありません。
【43教団資料庫】も鍵を開けることで侵入することができます。
じっくりと探索を行えば、入り口と反対側に扉のような切れ込みを発見することができます。いかなる戦闘技能を振って破壊できず、鍵穴のようなものもありませんが、何かを嵌められる窪みがあります。
窪みに『古き教会の紋章』を嵌め込むことで【44秘密の部屋】に侵入することができます。
この隠し部屋は小さな机があるだけの簡素な部屋です。机の上には黒い日記帳が置かれています。
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・『黒い日記帳』
伝説の大聖教女にして聖統教会の創始者であるアナスタシアの日記です。
ファゲルズァートの古い言葉で書かれていますが、魔法が掛けられており、読む人の母国語で書かれていると錯覚します。
この日記帳を熟読すれば、以下のことが分かります。
当時、厨二病のようなものを患っていたアナスタシアは空想で【夜の神】ゼファシェルという邪神を生み出し、その神を【昼の神】から力を得た自分が封印したという噂を流した。
承認欲求が強く権力への執着も強かったアナスタシアはその噂を使って新興宗教のリンプレント聖統教会を打ち立てて大聖教女、つまりはその宗教の頂点に君臨することを目論んだのである。
本来であればそのような話を信じる筈がないが、百年に一度の不作や凄惨な事件の頻発などが奇跡的に重なって当時のファゲルズァート島は荒廃しており、アナスタシアが噂を流した頃にそういった問題が怒らなくなって平和になったため、彼女の言葉が信じられてしまう事態となった。
また、彼女が「リンプレント聖統教会の正体は邪神を崇める邪教であり、リンプレント聖統教会の実態は邪神信仰を隠すための隠れ蓑。【夜の神】ゼファシェルを復活させることが教会の最終目標である」という設定を厨二病の影響で残した。
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この日記帳は【夜の神】の存在そのものを否定するものです。【夜の神】が顕現してしまった際にこの日記帳を突きつけることで消滅させることができます。
PLが閃かない場合は<アイデア>などの技能を振ってヒントを与えても良いかもしれません。
⑩邪神復活の儀式。
【邪教徒の祭壇】に入るとイベントが発生します。
【イベント:邪神復活の儀式】
その部屋は地上の教会と同じ形をしていした。しかし、どこか冒涜的な気配を感じます。
聖教女「あらあら、ピスコとコニャックがやられてしまったのね。でも、儀式の準備は整ったわ」
聖教女が内陣に歩を進めると、内陣に待機していた教団幹部と思われる者達が全員、自らの喉を刺し貫いて絶命しました。
狂気的な儀式を目撃した探索者達は<SAN値チェック:1D3/1D6>です。
聖教女「さあ、始めましょう! 【夜の神】復活の儀式を!!」
聖教女が右手に抱えていた『金剛の涙』が浮かび上がり、教団幹部達が残した真っ赤な血溜まりの真紅の液体を吸収していきます。
真っ赤に染まった『金剛の涙』は空中に留まりました。
聖教女「さあ、祈りましょう! 大いなる神が蘇り、世界の全てを滅ぼすまで! ああ、【夜の神】ゼファシェル様にこの世の全てを差し出せる瞬間を思うと、ああっ、身悶えしてしまいますわ♡」
このイベント終了後、聖教女ルミナス=シエスタとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なお、『金剛の涙』は幾重にも張られたバリアと攻撃を逸らす謎の力によって破壊することができません。
ルミナス撃破によって祈りのエネルギーが供給されなくなった場合や邪神復活が成功した場合は『金剛の涙』が砕け散ってしまいます。
⑪ウェーバード博物館で顛末を伝える。
探索者達はウェーバード博物館から依頼を受けていたため、ウェーバード博物館に戻って博物館の職員に顛末を伝えなくてはなりません。
どの職員でもいいので捕まえて、事件の顛末をロールプレイで伝えてください。
無事に伝え終わるとイベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館⑥】
博物館職員「……まさか教団が関わっていたとは。それに、そのような恐ろしく冒涜的なことをしようとしていたなんて。ファゲルズァート島の島民として、この世界の一員として世界を救ってくださった皆様にはお礼申し上げなければなりませんね。……多くの犠牲が今回の件で出てしまいました。護堂さんは結局回復しないまま島を去ってしまいましたし、館長も……ですが、後ろばかり向いてはいられません。館長が守ってきたこの博物館を後世まで守っていかなければなりませんからね! 実は館長から『もし、私が死んだ場合はお礼を支払ってくれ』と預かっています。……もしかしたら、館長は自らの死を予見していたのかもしれませんね」
博物館職員は一度探索者達のもとを離れた後、お礼を持って戻ってきます。
ジュラルミンケースに入った3,000,000,000 ファーゲルと『レアモンスターバッジ』×1をもらうことができます。
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・『レアモンスターバッジ』
装備しているとレアエネミーのコーヒー・トレント、
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この【イベント:ウェーバード博物館⑥】が終わったところで【MAIN SCENARIO:ウェーバード博物館の『金剛の涙』】はクリアとなります。エンディングはありませんので、他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。
なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
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