Ⅷ
『ついにこの時がやってきた!! 第17回ベアナックルボクシング帝王戦。闘術、魔術、武器の使用は禁止。その他何でもありの決闘が、今ここに始まる!! さぁ、お前たちの見たいものは、何だ!!』
「血だ!!」
「サリドンだ!!」
「殺し合いだ!!」
「非日常だ!!」
「新たな王だ!!」
「獣だ!!」
「命の輝きだ!!」
「王者の記録更新だ!!」
「闘術?」
「それはベルナデッタが戦士になったら教えてやろう。しがない町娘にこれを教えたところで、毒にも薬にもならん」
「そう、ならいいよ」
『次に選手の紹介だ!! チャンピオンはもちろんこの男。旧ドルディア軍の切り込み隊長にしてドルディア最強のドラコ! 鍛え抜かれた強靭な肉体、翼がすべてを破壊する!! バン~~、サリドン!!』
「待ってたぜー!!」
「勝てー!!」
「記録を塗り替えろー!!」
『続いて挑戦者はこの男。光ある所に影がある。もっとも敵国に恐れられ、暗躍したループスのアサシン。ドルディアが生んだ死神が今、解き放たれる!! グラ~~ン、ウォーカー!!』
「あいつを玉座から引きずり落とせ―!!」
「ループスの意地を見せろー!!」
今からここで行われることはベルナデッタでも容易に想像できた。暴力による殺し合いだ。殴る、蹴る、もしくはそれ以上の方法で相手を痛めつけ、屈服させる。ベルナデッタはそれを平然と行おうとする当事者、それを肯定する観衆に大きな
「いいのかい? あなたのような使い手がこんなところに出張ってしまって。ここでは毒も武器も使えないんだぜ?」
「それはお互い様だろ。闘術のないあんたを屈服させるくらいなら、この身一つで十分だ」
「そうかい。なら早速、やろうか?」
次の瞬間、サリドンは目にもとまらぬスピードでウォーカーの懐まで接近し、
「流石は歴戦のドラコ、硬いな」
「あなたもいい読みだ。とても攻撃が当たりそうにない」
「当たれば即致命傷なんだ。当然の対処だろ? じゃ、いくぜ?」
ウォーカーは顔の前に構えていた拳を下ろし脱力する。その
『おーっと! ここで挑戦者の拳がサリドンの腹部に
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