16話 エヴァン下痢オン 未来への咆哮

時刻は9時30分


開戦して30分が経過した。


勇敢なるパチンカス達は自身が操るマシンに


「今日こそは大丈夫なんだろうな?」


「この調子が夜まで続いてくれ!」


「ただ、勝てば良いのだ!」


それぞれの想いをマシンにぶつけていた。


そんな中、オールドタイプではエース級のテクニックを誇るまっつは・・


トイレの中で孤独な戦争を繰り広げていた。


「昨日食べた山岡家が悪いのか・・いや・・朝食に食べた吉野家が原因かもしれない・・」


納まらぬ腹痛を抱え、5分は奮闘している状態である。


「やれやれ・・これじゃウンの出し過ぎで今日は苦戦するかもしれないな・・」


ホールの朝のトイレはもう一つの戦場なのだ。


パチンカスならわかることなのだが、着席解除後のトイレというのは、朝の通勤ラッシュさながらの混雑具合なのである。


会社のトイレなどもそうだと思うのだが、アサイチウンチマンという種族が存在するのだ。


字ヅラだけ見るとウルトラマンのようでカッコイイが、決して綺麗な存在ではない。


トイレの個室で、勝利する未来の自分を思い浮かべながら


【未来への咆哮】を行うのだ。


当然パチンカスにもその種族に分類されるものは一定数存在しているため、 まっつのように整列中から格闘しているものの多くは、台確保後、着席解除後のアナウンスと共に、もう一つの戦場へ慎重に赴くのだ。


そしてまっつも叫ぶ


「ワォォーン!」


右隣も叫ぶ


「ワォォーン!!」


左隣も叫ぶ


「ホ〜ォォウ・・アタ!!!」


どうやら一人だけ間違えているやつがいるらしい・・


「ふぅ〜やれやれ・・」


マッツは真っ新な便器を自慢のテポドンで汚し、スッキリした表情で手を清めていた。


その時だった!!


鏡ごしに後ろの個室のドアが開き、あの男のシルエットが映し出される。


「ん!?間違えたかなぁ・・」


その男の名はイノシロウ。


北斗の拳を愛し、ケンシロウが先制すると、怒り狂う男。




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