14話 まさる逝きまーす! 静かなるジャグラー
まさるが選んだジャグラーは台番号535(ゴミGO)
前日 BB 5 RB 2 といったマシンの性能はいまいちと思われるものだった。
ここ1週間の状態をみても、マシンの調子が良かったことは一度もなかった。
「そろそろ戦える状態になるはずだ」
まさるのニュータイプとしての勘が告げている。
「ここまで調子を落とした状態が続いた以上、そこからの反動でいつ爆発してもおかしくない」
まさるの経験上、このように静かな状態は、嵐の前の静けさ。
このジャグラーはビックタイフーンを起こし、安否不明となっている福沢一等兵を連れ帰ってくるだろう。
「これが出ないなんてことはあり得ない。生涯収支トントン以上の俺の勘信じるしかない」
まさるはサンドから払い出されるコインを掴み、オーラ力を加えた左手でジャグラーのレバーを動かした。
「やはり…嵐の前の静けさ…」
ジャグラーは水に波紋が広がるように、静かに動きだしたのだ…
まさるは信じている。
自分自身のオーラ力と店長がしてくれたであろう良調整を…
まさるは感じている。
ジャグラーの中にひっそりと燃えている爆発力を…
横に座っていたヒゲとサングラスのおじさんは感じていた。
「ガックンもしないし、こりゃ今日もこのジャグラーはダメだな。」
「5の末尾がつく台番だから、みんなが毎日触ってみてはいるが、完全に沈黙したままだ。」
ヒゲとサングラスのおじさんは信じていた。
「横がダメな以上、私の台には可能性を感じられるな。うん。これはきっと設定5に違いない。」
「私の確かなる経験が根拠だ。トイレで逝かずにぶん回すしかないな。」
ヒゲとサングラスのおじさんは、毎日のように負けている、まさるの資金源を不思議に思いながら、自身のジャグラーを始動させた。
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ガックン:店長からの調整施された場合、ジャグラーというマシンは、朝一の始動時にマシンがガックンという動きをする。
この動きがなかった場合は、多くの場合が昨日から手をつけられていない可能性が高まる。
末尾5:ジャグラーにはGOGOランプといったものが搭載されており、多くの戦場では末尾5を背負うマシンがエース機として活躍することが多いのだ。
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