12話 いざ!戦場へ テポドン発射!!

時計が時刻9時を示した。

「1番の方からの入場になります!決して追い抜きせず!走らないでください!」


小沼店長がこんな近くで見れることにまっつは喜びを感じていた。


1番のパチンカスから順番に五人づつ入場していく。

この店では追い抜きなどを防ぐために5人づつの入場としているのだ。

そのせいでまっつが普段入場している時間は9時20分ぐらいであった。


時計は9時3分

「続きまして20番のお客様からの入場になります」


正直なところいますぐ走り出したかった・・

気持ちが昂っているからではない・・


これは入場の時に毎回起こる現象なのだが・・


「尻からテポドンを放ちたい・・」

猛烈に腹が痛い・・

毎回同じ失敗を繰り返す自分を殴りつけてやりたい。

だが、もはや激しいアクションひとつが危ういのだ・・


「早く着席して、素早くこの腹のテポドンを処理しなければ・・」

まっつの額から大粒の汗がこぼれていた。


そして、狙い台である「バーサス」!!


「空いている!!しかし、油断は禁物。着座と同時に座席にテポドンなどをしてしまった日には出禁になりかねない・・」


以前、7月7日にとあるホールで起きた出来事なのだが・・

その日は非常に熱いイベントだったため、再整列からの待機時間が長かった。

抽選番号3番を引いた漢は再整列直後からずっと唸っていたのだ。


そして、いざ入場と店内への1歩踏み出した際に、気持ちと黄門ちゃまが緩んでしまったのか、入り口のカーペットが激しくテポドンの被爆対象になってしまい、その後始末の影響で入場が10分ほど遅れたという事件があった(もちろん1・2番の方も店外へ退出)


ちなみにその3番を引いた猛者は・・

とても遊戯ができる状態ではないため強制帰宅。

その後、そのホールで見かけることはなかった。


そんな事件を目の当たりにしたことのあるまっつは狙い台である「バーサス」に慎重に座り、そして台確保券を置いたのだが・・


店内アナウンスが流れた

「本日は多数のお客様の来場のため、完全着席とさせていただきます。店内放送にて着席解除のアナウンスが流れる前にお席を離れた場合、台を空き台として開放させていただきます」


「何のための台確保券だ!」

まっつは怒りに震えつつも、自身の黄門ちゃまに意識を集中し、ただ、ただ時が過ぎるのを待つしかなかった。


こんな形で憤死するわけにはいかないのだ・・



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テポドン:人類の生理現象によって発射される。主に便器という真っ新なキャンパスを破壊する核爆弾のことである。北朝鮮の黒電話が好むアレではない。


黄門ちゃま:人類の後ろ側についている穴である。

主にテポドンを発射するために使用される。

決して何かを入れる入り口ではない


台確保券:多くの場合、入場時にこの券を置くことによってマシンの確保が可能になる。


完全着席:確保券を置いた状態でも、着席状態解除のアナウンスが流れるまでは離席できない状態。もし離席してしまうと、そのマシンは他のパイロットに取られてしまうだろう。

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