10話 隠された事実
まさるは焦っていた。
まさか、まっつがあんな条件をつけてくとは思わなかったからである。
『パチンカスの先輩である俺のことを信頼していないのか、後で尻から剛掌波でも喰らわしてやろうか。』
しかし、少しまずいことになった。
実はまさるはここ最近、幸せという名のホールにて紛争を繰り広げた際に、毎日のように福沢1等兵を数人ではあるが戦死させていたのだ。
チリも積もればというが、実に二十人もの福沢が安否不明の状態である。
「まあ、通算ではマイナスではないし問題ではないだろう」
実にパチンカスらしい思考である。
今日はまっつという援軍を利用して打つ気満々であったため、少々計算が狂った言わざるを得ない。
他のパチンカス共が俺のアクロスに(指定台ではない)座らないように祈るしかないのが現状である。
戦場(ホール)も変えて気分一新!ここから俺の連勝街道は始まるのだ!というさっきまでの気分がすっかり冷めてしまった。
『どんな台であろうと出せばいいだけだな』
そう思考を切り替えるとまさるは封筒をバックから取り出した。
そこからは光輝く渋沢栄一と電気代と書かれた払込用紙が顔を覗かせた。
パチンカスにおいて使っちゃいけないお金など存在しない!
ただ、勝てば良いのだ!
そう。まさるはパチンカスを極めた漢である。
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