第3話 うろこの館の闇
舞台は神戸の異人館村にある「うろこの館」。その名の通り、外壁が魚の鱗のように美しく装飾され、異国情緒溢れる歴史的な建物であり、観光地としても人気が高い。しかし、その静かな美しさの裏には、深い闇と秘密が隠されていた。
新たな事件の発端
久保田幸男(堂本剛)は、再び予期しない事件に巻き込まれることとなる。ある日、神戸の有名な観光名所である「うろこの館」の管理人、内田(高橋一生)から突然連絡を受ける。内田は、館内で奇妙な出来事が続いていると報告してきた。まず、館内にある古い絵画が一部壊れ、何者かが絵を引き裂いたり、時計が異常な音を立てたり、さらに一部の貴重な品々が無断で動かされたりしていたという。
その後、館を訪れた観光客が、館内で行方不明になり、数日後には遺体で発見されるという事件が相次ぐ。この一連の出来事に不安を抱いた内田は、久保田に助けを求めるのだった。
うろこの館の秘密
久保田は、館を訪れ、まず館内の雰囲気を探ることにする。うろこの館は、かつて外国人商人の邸宅として使用されていたが、その後、異国情緒を感じさせる観光施設として生まれ変わった。しかし、館内には奇妙な空気が漂っており、久保田はこの場所が単なる観光地以上の何かを抱えていると感じ取る。
館内には様々な骨董品が並んでおり、その中には「失われた時を刻む時計」と呼ばれる古代の時計が展示されていた。その時計は、持ち主に「永遠の命」を与えると信じられ、かつて多くの人々がそれを手に入れようとしたという伝説があった。しかし、その時計にまつわる数々の謎や死に関する噂も多く、館の周囲ではその時計を巡る事件が過去に何度も発生していたのだ。
久保田は、館内に残された日記や文献を調べ、その時計がかつて館を所有していた人物、グレゴリオ・ルケ(佐藤浩市)に関係していることを突き止める。ルケは時計を求めて世界中を旅し、その力を使って不老不死を目指していたと言われていたが、最終的には自らの命を奪うことになったと伝えられている。
失われた時計と新たな犠牲者
館内で発生した事件を調べるうちに、久保田は、うろこの館の管理人である内田が何かを隠していることに気づく。内田は、館を運営していく中でその時計が本当に不老不死の力を持っていると信じているようだった。そして、内田が行方不明になった観光客を知っていることが判明するが、彼が最後に目撃されたのは、館の地下室であった。
久保田が館の地下室を調査していたところ、そこには以前失われた時計が密かに隠されていた。時計は古びた箱に入っており、その周囲には謎めいた符号が刻まれていた。その符号が示す場所には、別の遺物が隠されていると予想し、久保田はさらに調査を進める。
うろこの館に眠る真実
久保田は館内の古い書類や地図を調べ、グレゴリオ・ルケの過去とその時計の力についての記録をさらに掘り下げていく。その結果、ルケが時計の力を使うことによって、命を永遠に保とうとしたが、実際にはそれが呪いであり、持ち主を次々と死に至らせる運命を背負わせていたことが明らかになる。
館内での死亡事故もその呪いのせいだと久保田は確信する。時計が発する特殊な波動が、人々を異常な行動に駆り立て、最終的には命を奪っていたのだ。この時計が破壊されることなく存在し続ける限り、誰かが犠牲になり続ける運命が繰り返されていた。
事件の真相と解決
久保田は、館の中で他にも異常な行動をとっていた人物、特に内田が時計の呪いに取り憑かれ、館をその呪縛から解放しようとするのを防いでいたことを突き止める。内田は時計を使おうとし、ついには自分がその犠牲となったのだった。
久保田は、呪いを解くためには時計を完全に破壊し、その力を封じる必要があると判断し、地下室で時計を破壊する準備を整える。その瞬間、館内での死者たちの幻影が現れ、久保田に襲いかかろうとする。しかし、久保田はその幻影を打破し、時計を破壊することに成功する。
時計が壊れると、館内の異常が収まり、呪いが解ける。しかし、その後も館は静寂を保ち、時折、かつて館を訪れた人々の足音や声が響くことがあるという。しかし、久保田はその後、「うろこの館」を後にし、事件を解決したことを報告する。
終わりに
久保田は、うろこの館での事件を解決した後、再び異人館村へと戻る。事件は終わり、呪いも解かれた。しかし、あの館の不気味な静けさと、時間の流れを感じさせる巨大な時計の音が、久保田の心に強く残るのだった。時計が壊れても、館に刻まれた過去の記憶は、決して消えることはない――そのことを、久保田は深く心に刻みながら、次の事件へと歩みを進めるのだった。
終わり
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