第2話 時計の館の秘密

 舞台は神戸から一転、少し離れた山中に建つ古びた「時計の館」。異人館村の喧騒から遠く離れたその場所は、かつて時計職人によって建てられ、今では誰も住んでいないと言われている。外観は幻想的で、館の外壁にかけられた巨大な時計が常に時を刻み続ける不気味な存在感を放っている。


新たな事件の兆し


久保田幸男(堂本剛)は、ジェーン・ウィルキンソン(石原さとみ)の事件が落ち着いたと思いきや、再び新たな事件に巻き込まれることとなる。彼は一度訪れたことがある時計の館に再び呼び出され、そこで待っていたのは異国の豪華な時計コレクションを管理している老人、八雲(津川雅彦)だった。八雲は、館の中で起きた奇妙な出来事について相談したいと言う。


館内の時計が次々と止まり始め、それと同時に館の周辺で人々が姿を消すという不可解な現象が続いていた。館に関わる者たちが、誰かに操られているかのように不審な行動をとり、館を訪れる者たちの命が奪われていったというのだ。


館の謎と歴史


久保田は、八雲の頼みを受けて再び館を訪れることを決意する。館には一族の古い時計や、時折不気味な音を発する巨大な時計が数多く存在しており、時折その時計が特別な「時」を告げるかのように鳴るという。しかしその「時」が、何らかの不幸をもたらしていると噂されていた。


館の奥には、歴代の時計職人たちの名前が刻まれた石板があり、その中に一人、異国から来た若き時計職人の名前があった。それが館の悲劇とどのように結びついているのかは誰も知らない。久保田は、館の歴史を紐解きながら事件の手がかりを追っていく。


不可解な事件の始まり


久保田が館に到着した夜、再び時計が止まり、館内で異常な静けさが漂う。八雲は久保田に、館内で起きた最近の奇怪な出来事を語る。館に出入りする時計職人やその弟子たちが、次々と姿を消し、死体で発見される事件が続いていた。しかし、どの事件も一見して事故のように見え、誰が犯人なのかが全くわからなかった。


久保田は、館の時計が止まるタイミングと、失踪者の現れるタイミングが一致していることに気づき、時計そのものが何かの手がかりを握っているのではないかと疑い始める。八雲の話によると、これらの時計はすべて一族によって手作りされ、特別な力を持つと信じられているという。その力が一体何であるのか、久保田は慎重に調べていく。


登場人物たちと疑惑


館の中には他にも奇妙な人物がいる。館の管理人である中谷(井浦新)は、一見無害そうに見えるが、どこか胡散臭い雰囲気を持っている。また、時計職人の元弟子である田村(山崎賢人)は、かつて館で修行をしていたが、途中で行方不明になった後、再び館に戻ってきていた。


田村はその後、館の中で死体となって発見されるが、その死因は不明であり、唯一の手がかりは、田村の手のひらに刻まれた奇妙な符号だった。この符号は、館の時計に刻まれたものと一致することが判明する。久保田は、この符号が一族の歴史と密接に関係していることを直感する。


時計の館の秘密


調査を進めるうちに、久保田は館の主、八雲が隠していたある秘密を暴き出す。八雲は、館の創設者であり、時計職人の先祖が異国から持ち帰った「時間を操る力」を持つとされる古代の時計を隠し持っていた。それは、特定の時間に触れることで、時を超えた力を得ることができると言われており、その時計は「死の時計」と呼ばれ、使用した者を狂わせ、最終的には命を奪う力を持っていた。


久保田は、八雲がその時計の力を利用して次々と事件を引き起こしているのではないかと疑う。八雲が時計の力を使い、時間を操っていたのは、過去の因果を清算しようとした結果だった。しかし、その力に取り憑かれた八雲は、他の者たちをも巻き込み、館の中で次々と命を奪っていったのだ。


最終対決


久保田は、八雲がその時計の力を使って、次に誰を犠牲にするつもりなのかを突き止めようとする。八雲は最後の時を迎えるとき、時計の中に刻まれた「死の時」を訪れ、全てを終わらせるつもりだった。しかし、久保田はその計画を阻止し、八雲を追い詰める。


最後、久保田は「死の時計」を破壊し、館の呪いを解く。しかし、その破壊の瞬間、八雲は時計に触れたことで過去の因果を背負い、時を越えて異世界に消えていく。時計は壊れたが、館に残された謎と不気味な静けさは、依然としてその場所を支配し続ける。


久保田は館を後にし、異人館村に戻る。事件が解決したことを報告しつつも、時計の館に残された暗い影を感じずにはいられなかった。神戸の街は再び平穏を取り戻すが、あの館に流れる時間は、今も誰かの手の中で動き続けているのかもしれない――。


終わり


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