第38話 劉家の双子(3)

「ええ」

「はい、あなた……」


 劉協と劉弁の二人が儂の質問に対して頷いた。


「嘘?」

「本当に?」

「アーシ知らないし」

「うちもそんなこと知らなかった」


 前世の怨霊が精霊化してエルフとなり、人の姿に化ける事が可能になり、今は双子として降臨し、この自治区を闇から支配して、学園同士のデースゲームも楽しんでいる劉家の双子の頷きを見て李儒と牛輔、張繡に樊稠の四人が仲良く驚嘆した。


「俺もそんな事知らねぇから、他校とのタイマンで何処か、相手を殺したらいけないと手加減していた」

「あっ! 俺も李傕と一緒でマジ手加減していた」


 四人に続き李傕と郭汜の二人も、での恩赦がある事は知らなったと不満を漏らす。


「弁殿下?」

「何ですか、李儒?」

わたくし達長安学院の者達が時空の狭間の加護の件を知らないのは、両殿下の悪意ある意図的なもので御座いますか?」


 劉弁とは前世では因縁がある李術が怪訝な表情で奴へと尋ねた。


「李儒、別にこの学園の者達だけが知らないと言う事は無いですよ。他校の領主へも妾も弁姉様も、あの何太后陛下でさえ告げてはいませんから。李儒、貴女の方こそ悪意ある憶測だけで、弁姉様に尋ねないでくださいませ」




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