第37話 劉家の双子(2)
「すいません、閣下」
「申し訳ございません、あなた……」
儂の問い掛けに対して王允と大人しい令嬢様の劉弁の二人は素直に頭を下げた。
だがな、劉協の奴はツンデレ令嬢様だから。奴は怪訝な表情をしながら儂の事を観ているから。
「はぁ~、仲穎。余り妾達三人が早くこの教室へとくれば他校のヤンキー達に甘い李儒達への諫めにならないでしょう」
劉協の奴はプンプンと自分の頬を膨らませ、括れた腰に手を当て──仁王立ちで儂へと不満を告げてきた。
『はぁ~、あのなぁ~、協~』
儂は前世の霊帝様……。劉協へと唸り不満を告げようとしたら。儂の代わりに君主代行をしていた李儒の顔が困惑した表情へと写り変わり、動揺しながら。
「一体、どう言うことですか?」
李儒の奴が儂よりも劉弁、劉協、王允へと震えた声音で尋ねた。
◇◇◇
「「えっ!」」
「「あれ?」」
「「どう言う事?」」
「何で俺達生きているのだ?」
「あっ! 私達も何で生きているの?」
「あっ! うちも?」
「儂も?」
「う~ん、確か俺達魔弾を食らい他界をした筈?」
「私もそう」
「うちもだよ」
「何で儂等は生きているのだ?」
まあ、この他にも、この部屋に居たガキ共は、先程儂等の戦の流れ弾を食らい浄化され冥府へと旅立った筈なのに。次から次へと自分達が死地から蘇り困惑……。動揺を隠せない様子で喧騒している。
その様子を見れば李儒の口から。
「どう言う事ですか?」
と奴も自分の顔色を変えながら儂や劉弁、劉協、王允を見渡しながら尋ねてきた。
「どう言う事って、こう言う事じゃ、李儒……。そしてお前等……」
儂はニヤリと微笑みながら李儒へと告げ。その後は樊稠や張繡、牛輔に李傕、郭汜と他界した者達の顔を見詰めながら告げると。
「儂が戦を始める前に時空の狭間を呼び寄せたであろう?」
李儒へと告げると、あやつは「はい」と直ぐに頷くから。
「時空の狭間の中で他界をした者達は、時空が解除されれば蘇生もされるし、怪我も治る。そのように
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