第36話 劉家の双子 (1)
「でりゃ、あああっ!」
「うりゃ、あああっ!」
「わりゃあああっ!」
「おりゃぁ、あああっ!
儂と牛輔、李傕、郭汜の三人が威勢の良い、大変に荒々しい声を出しながら、お互いの拳や足──剣、戟を使用して振るい、薙ぎ払いを繰り返し、剣戟を交えながら戦を続けていると。
「お姉様どうぞ……」
「……入りますね」
この変な部屋の扉が開いたと同時に、結界の中へと強引に入り込んだ人物達の物静かな声音が、儂を含めた四人の者達と李儒、樊稠……。この部屋で恐怖に怯える者達へと聞こえてきたから。儂等四人も殴り合い、斬り合い、刺し合い、叩き合いをする行為を辞め、声の主へと注目した。
「劉家の御二人の命で御座います~。直ちに閣下を含めた四人は争いを辞めるように~。わかりましたか~?」
儂の耳へと何処かで聞き覚えのある声音が聞こえてきた。
だから「劉弁様……。劉協様……。何で王允校長先生までもこの場に……」と李儒の奴が驚いた顔をしながら声を漏らす。
「理事長」
「校長先生」
「何で姫様達が?」
「何故この教室に来るんだよ?」
李術に言葉に続くように樊稠や牛輔、李傕に郭汜……。その他の生存者達も驚嘆をしたから、儂はそいつらの様子を見て可笑しくケラケラと嘲笑った。
◇◇◇
「遅かったじゃないか? 弁と協、王允……」
この部屋に居る者達が中華の煌びやかな後宮ドレスを身に纏う、
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