第35話 更に乱闘は続くぞ(2) 

 儂が一人で牛輔と李傕、郭汜の三人を相手にしている様子を見て二人は、他校の英霊持ち……。


 それも三国志演技に出演する一騎当千万夫不当の猛者達と、この儂が対峙して争う事が可能なでは? と言った話しをしているようじゃが。儂の臣下の者達も他の奴等の家臣達比べても遜色ない筈じゃ。


 だって儂が洛陽と長安の都を押さえ、漢の丞相として覇を唱えることができたのは呂布のクソガキが居たからだけではない。

 今儂が争っている牛輔も李傕も郭汜の奴も十分優秀な筈なのだ。


 だけどこいつらはまだガキ的な甘い考え……。


 そう相手に情を入れてしまい。本気で敵を殺す気で戦をしていない。


 特に李傕と郭汜の奴は、儂が呂布のガキに暗殺された後に長安の都を制圧し、劉協霊帝を確保して擁立──。漢に覇を唱えた筈なのに、二人は武人を辞め、宮廷内の桃源郷へでも迷い込んだのではないかな? と、自分自身が錯覚してしまう快楽に溺れ、只の人へと堕落していた時の感覚が、二人にはまだ抜けないのではないかな? と、儂が思い。心配をしてやる程二人は酷い。


まあ、家牛輔婿殿も酷いものだ。


 だから李儒と樊稠の二人が華雄頼みになってしまうのだ。


 こやつら三人も含めて、その他の者達もガキの喧嘩の延長程度ぐらいしか考えていないのだろうから、この儂が直に教育と言う名の折檻をしてやろうと思う。






 ◇◇◇












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