第34話 更に乱闘は続くぞ(1)

「うりゃあああっ!

「おりゃぁあああっ!」

「わりゃあああっ!」

「うぉ、おおおっ!」

「このデブがぁあああっ!」

「クソがっ!」

「仲穎の癖に……」

「お前等こそ臣下の分際で調子に乗るな! 謀反! 反逆は万死に値する! 覚悟しろ! お前等ー!」


 まあ、この後も儂等四人……。牛輔や李傕、郭汜の三人と儂は荒々しい声を仲良く出しながら、幼子のようなくだらない言い争いを続けつつ、儂は幼馴染の三人と殴り合いの喧嘩を続けた。


「上田先輩、マジで強ぇ……。うち敵わんなぁ~」


 儂に殴られ気を失い李儒に預けた樊稠の奴が目を覚まし、へたり込んだままの状態で呆然としながら儂等──。男連中の殴り合いを見て──。樊稠は苦笑いを浮かべつつ独り言のように呟く。


「うん、そうね……。閣下は私の予想を超える強さだわね……」


 樊稠の呟きに対して李儒の奴も同意する。


「……でも中身が仲穎君だと、あそこまでの魔力と武力を上げることが可能なのかは、私も正直解らない……」

「そうなんだ、李先輩?」

「うん」

「でも、上田先輩本人があれ程の魔力と武力があれば他校の一騎当千の猛者達と互角に戦えるんじゃないかな?」

「うん、そうかも知れないけれど。でも対峙して争ってみないと分からないから、今は何とも言えない」

「うん、そうだね、李先輩……」

「うん」

「だけどもしも上田先輩が他校の一騎当千猛者達と互角の勝負が出来るならば、これは凄い戦力になるよ。長安学園うちには平均的なメンバー達は多いいけれど武の要は華雄先輩ぐらいしかいない訳だから」

「うん、そうだね……」








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