第33話 三羽烏(4)

「うぐっ」


 だから儂の口から悲痛な声が漏れ、上半身が李傕と同じようによろけてしまう。


 しかしだ! 儂は直ぐに自分の身体を起こし反転──。そのままの勢いで郭汜の顔へと遠心力を使いながら裏拳で殴りつけてやる。


 刹那──!


 郭汜の奴から鈍い衝撃音が聞こえると。


「うわぁあああっ!」


 今度は郭汜の奴が絶叫を上げつつ後方へと吹き飛び──尻もちつきへたり込んで。


「うぅ、ううう」と呻ってくれるから。


 儂はまた反転して素早く、李傕の顔を拳で再度殴り──。ワン! ツー! とリズム良く繰り返し殴り続ける。




 このくそ馬鹿め! 阿保め! 主君に楯突きおって! この大馬鹿者めがぁ~! と思いながら。儂は何処かの誰かさん達の存在を忘れる程夢中になりながらだ。


 だから何処かの誰かさんの、一人の口から


「董卓死ねぇえええっ!」と怒声が吐かれ、【神速】で詰め寄られて──。儂は腹部へと奴の……。


 そう牛輔の魔力の籠った重たい握り拳を無防備に食らってしまい、刹那……。


「うがぁ、あああっ!」


 今度は儂が悲痛な声を漏らしつつ後方へと吹き飛び──。その場に放置されている机や椅子の上に無防備で、ガシャン! と鈍い金属音を出しながら床に倒れ込み。


「うぅ、ううう」と呻り声を漏らしてしまう失態を犯してしまう。




 ◇◇◇


















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