第32話 三羽烏(2)

 だから牛輔の厳つい顔は儂の拳の打撃により上下左右に振られ──。ヒデ! ブ~! 的な刹那状態へと陥り。牛輔の顔は悲痛な様子……。奴の鼻からもタラ~リと鼻血が垂れ、口からも。


「うが!」、「うご!」、「がぁ~!」


 牛輔の顔がよじれながら悲痛な声迄漏れるから、儂の勝利なのだ~! と言いたいところではあるのだが。


 しかし、皆も知っての通りで儂が手合わせ──相手をしているのは牛輔だけではない。


 儂が牛輔の奴へと拳で連打の攻撃を加え終え、奴の身体が屈み、防御体制へと入ると今度は李傕の奴が、自分で呪術展開して召喚した真っ赤な光の剣で牛輔仲間を庇うように斬りかかってきた。


 だから儂は慌てて自分の左の腕に呪術で真っ赤な光の盾を召喚した──。そして奴の剣をカン! と鋭い音を出しながら受け。牛輔への攻撃を一旦中止──! 儂は素早く李傕へと詰め寄り、阿保の顔へとギュ! と強く握り絞めた拳を振るい。


「うぉりやぁ、あああっ!」


 儂は荒々しい声を上げながら李傕の阿保の顔へと拳を食らわすから、奴の顔も横へと振られ、よじれ、悲痛な表情へと変わりながら。


「うわぁ、ああああああっ!」


 李傕の阿保が絶叫可愛い声を上げるから、儂は、ほら、もう一発だ! と思いつつ、先程李傕が振り下ろした剣を受け、弾いた盾が装備された左手の拳で今度は奴の顔へとフックを入れてやろうと試みる。


「させるかぁあああああああああっ!」


 今度は二人……。牛輔や李傕の口から出た威勢ある声ではなく別の方向……。


 そう今度は郭汜の奴が李傕を庇う為に儂へと殴りかかってきた。


 でも、もう遅い、何でも遅すぎるのだ! 郭汜阿保がどうしよう? どうしよう? 自分も殴り合いに参加をするべきか? それともこのままタイマンでの喧嘩を見届けた方が良いのか? と呑気に思案をしているから。


 儂の拳は完全に振り切られ、李傕の顔面へと直撃──!


 李傕の顔、身体は牛輔のように逆方向へとよろめきながら刹那……。


「うがぁあああっ!」と絶叫が吐かれるから儂は主君に楯突き、反逆を犯した罪だと嘲笑う。


 しかしだ。李傕の顔を殴った儂も只で済む訳もなく。奴の顔を殴り終えると儂の顔の頬は郭汜の奴に殴られてしまう。





(お願い)


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