第26話

「まずは基礎体力を鍛えるぞ。」


私はリーダーとして、6人に声をかけた。


「基礎って……今さらか?」


カイトが苦笑いを浮かべるが、真な表情に戻る。


「どんな強力な力を持っていても、基礎がなければすぐに倒れてしまう。特にお前だ、カイト。」

「う、うっ……わかったよ!」


まずは、基礎的なトレーニングを行うことにした。

リンとレンはペアを組んでスピードと反射神経を磨き、

カイトは重い装備を背負って体力を鍛える。

そして、ミクは自分の魔力を制御するための瞑想を始めた。


「魔力を制御しないと、あのドリルの力は思うように使えないわ。」

ミクは冷静に自分を見つめながら、

神から授けられたドリルの力をさらに引き出そうとしている。


私はユカリの元に近づいた。


「ユカリ、君は特訓に参加しないのか?」


ユカリは少し迷った様子で答えた。


「私は、もう自分では戦えないと思う。でも、君たちにできる限りの知恵は貸すよ。」

「それだけで十分だ。君の知識が私たちの力になる。」


ユカリは微笑み、私に訓練の指導を始めた。

彼女はかつての経験から、戦術や敵の弱点を突くための訓練方法を教えてくれる。

私たちはそれをもとに、さらなる強化を進めた。

特訓が進むにつれ、私たち6人の絆はますます強くなっていった。


「行くぞ、レン!」


リンが声をかけ、レンとともに素早い連携攻撃を繰り出す。

2人の息はぴったりだ。


「リン、君のの軌道を見た瞬間、レンが次の一撃を入れるのがわかる。それが重要だ。」


私は助言を与え、彼らの動きがさらに洗練されるのを見ていた。


「ミク、君の魔力は今どうだ?」


私はミクに問いかけた。


「少しずつだが、制御できるようになってきたわ。でも、まだ全力を出すと暴走しそう……。」


ミクの瞑想は続くが、彼女の周囲に漂う魔力が以前よりも安定している。


「よし、その調子だ。自分の力を恐れる必要はない。君は強いんだ、ミク。」


そして、カイトも次第に成長していく。以前のような軽率な行動はなく、

仲間の動きを見ながら自分のポジションを的確に取るようになっていた。


「カイト、ずいぶん様になってきたじゃないか。」


私は彼に声をかけた。


「ま、まあな。俺だって成長してるんだよ!」


カイトは得意げに笑うが、その表情には不安が垣間見えた。

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