ドリル無双。

第25話

「ようこそ、天界へ。また会いましたね、テト。」

その声は、神のものであった。

かつて異世界に転生させ、私にドリルを与えた張本人だ。

「神様……どうしてまた僕を呼んだんですか？」

私の声は驚きと戸惑いが入り混じっていたが、神は優雅に微笑んで応えた。

「テト、君は素晴らしい成長を遂げた。異世界でドリルを使い、仲間と共に困難を乗り越え、そして魔王ミクを仲間にするまでに至った。そのすべてを見ていました。」

神の言葉に、私は一瞬だけ背筋が伸びるような感覚を覚えた。

すべてを見られていたとは思わなかったが、感謝の気持ちもあった。

「それで、今回の呼び出しは……？」

「君にさらなる試練を与えたいと思ってね。」

神は少し険しい表情を見せた。

「さらなる試練……？」

「そうだ。君はすでに魔王を仲間にし、世界を救った。しかし、まだこの世界には残された脅威が存在するのだ。大きな運命が君を待っている。」

神の言葉は重く、次の試練がどれほど困難であるかを暗示していた。

「それは……何ですか？どんな脅威がまだ残っているんですか？」

「いずれ分かるだろう。だが今は、君自身がこれから進むべき道を再び見つけ出さなければならない。」

神は言葉を切り、再び微笑んだ。

「ただ、君に一つだけ与えよう。この世界で進むべき道を切り開くために必要な力を。」

そう言うと、神は手をかざし、私の胸元に強烈な光が差し込んできた。

瞬間、体の奥底から何かが湧き上がるような感覚に包まれ、

かつて感じたことのない力が宿るのを感じた。

「これは……？」

「それは、ドリルの力をさらに高める『真のドリル』だ。これで、どんな困難な道でも切り開けるだろう。」

神の言葉に驚きつつも、その力が確かに自分の中にあることを感じた。

新たな力を得た私は、再び目の前の世界を見据えた。

「さあ、テト。これから君がどう進むかは、君自身の決断に委ねられている。どうか、再びこの世界を守ってほしい。」

神の声は次第に遠ざかり、視界が再び白く染まっていく。

私はその言葉を胸に刻みながら、元の世界へと引き戻されていった。

気がつくと、私は再び村の自分の家に戻っていた。

「神様が……また試練を与えたんだな。」

私は新たな力を胸に、これから進むべき道について考えを巡らせていた。

試練は終わっていない。この世界に残された脅威を打ち破るため、

再び立ち上がらなければならないと、心の奥で感じていた。

神の言葉を受けた私は、新たな力を得たことで、

次に進むべき道が明確になってきた。試練はまだ終わっていない。

さらなる脅威に立ち向かうためには、これまで以上の準備が必要だ。

そこで、私は決意を固め、仲間たちを集めた。

「リン、レン、そしてミク……みんな、協力してくれ。」

私の呼びかけに3人は集まり、表情に緊張感を漂わせていた。

リンは鋭い目をし、レンは少し不安そうな顔をしている。

そして、ミクはその静かな瞳に強い決意を秘めていた。

「これから、さらなる試練に備えなければならないんだ。私たちは強くなる必要がある。」

「でも、どうやって？」

レンが小さく呟いた。

その時、私はさらにもう2人の影を呼び寄せた。

「ユカリ、そしてカイト。君たちにも力を貸してほしい。」

ユカリはかつて勇者として魔王と戦い、今は自ら戦うことに躊躇いを抱いているが、その経験と知恵はこの戦いで欠かせないものだ。

そして、かつてニセ勇者だったカイトも、今では頼もしい仲間となった。

「私も協力するよ。」

ユカリは静かに頷き、かつての自信がほんの少しだけ蘇ったように見えた。

「俺も、もう逃げないぜ！」

カイトも笑顔で答えた。

これで、6人の仲間が揃った。

私たちは互いに信頼を寄せ、これからの戦いに備えるために、

特訓を開始することにした。