S.S. あずかり知らぬ戦い

@daifukukowai07

第1話

宇宙船がありました。


中にはたくさんの宇宙人が載っていました。宇宙人はぐにゃぐにゃした形をしています。宇宙人は水分に弱いので、宇宙船の中の空気はとても乾燥しています。


ちきゅうという星にきて調査をしていました。ちきゅうには大きなニンゲンという生き物がいるので、見つからないように隠れて移動します。


宇宙人は未知の巨大な生き物に戦々恐々としながら日々を過ごしていました.


ある日、ちょっと薄暗い箱の中を調査していました。緑の大きな葉っぱ、白いものが混じった赤い塊、たくさんの四角が並んだ板。ニンゲンの気配はなく、どこからか低い音が絶え間なく響いています。

見たことないものが同じ種類ごとに並べられている場所でした。


宇宙人は夢中になってデータを集めました。


その時です。

急に白い光が宇宙船を、いや箱の中全体を照らしました。同時に宇宙船はニンゲンの動く音を察知しました。


宇宙人は大慌てです。

右往左往していると宇宙船そっくりのものがたくさん並んでいるのを見つけました。色や形は少しずつ違いますが、宇宙船とよく似ています。

思わず宇宙人はその列の中に飛び込みました。


そこでじっと息を潜めます。

時間が経つにつれてニンゲンが増えてきました。宇宙船が並ぶ列を眺めながら、時に宇宙船そっくりの物を列から取り出しながらニンゲンが通り過ぎて行きます。


宇宙人たちは動けなくてひたすらニンゲンの気配が通り過ぎるのを待ちます。

宇宙船が揺れました。慌てふためく宇宙人をよそにニンゲンに運ばれて、へんてこな板の前を通って、箱の外に出ました。


ニンゲンのされるがまま運ばれていきます。ようやく止まったと思ったら別の箱の中にいるようです。


ニンゲンは宇宙船を置くとどこかに離れて行きました。

宇宙人はニンゲンのいなくなった隙に作戦会議をします。

こうなったらニンゲンと戦うしかないと恐怖に支配された宇宙人は牙を向きます。

次にニンゲンがきたら攻撃するぞと意気込んでいると、ニンゲンが戻ってきました。


宇宙人は飛びかかる準備をします。

ニンゲンが宇宙船の屋根を乱暴に剥ぎ取りました。宇宙人が飛びかかろうとしたその時、大量の水が、いや熱湯が宇宙人を襲いました。


ニンゲンは宇宙人の弱点を理解している!その信号を自分の星に送った直後、宇宙人は息絶えましたとさ。



「このカップ麺、なんかしょっぱいな」

宇宙人をすするニンゲン。

宇宙人の涙もしょっぱいのでしょうか。

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