第21話

 どのグループも生き残った人の割合は前回よりも下がっている。魔法を使って、弱い奴から順番に死んでいるのだから当然のことだろう。そして、武器もボロボロになってきている。そのため、次のイベントをクリアした時は武器の耐久値を完全復活するという願いになりそうだ。


 そのイベントが終わったその晩のことだ。動く影が1つ存在している。イベント後ということは死体をスケルトンに変え、森の中に放ち無限に経験値集めを開始する。スライムのイベントも終わり、ゴブリンのイベントも終わった。もしゴブリンを全滅させてしまうと、復活することはないだろう。


 おそらくそのことは気がついているだろう。ゴブリンが全滅することでの生態系の変化やそれに伴う人間の行動変化や心理的な変化、それを見たいようだ。スケルトンの全てを放ったあと、塀の中に戻って眠っている。


 そして次の日になった。グループA(真面目くん)のところは、イベント後の修復のため木材を貯めていたが、その全てが燃やされてしまった。そのため、木材を集め直すことから始まる。


 レベルが低いであろう生産職の人は、周りにいるスライムや動物を狩ることで食料を確保しているようだ。それを午前中に行い、午後からは家づくりを始めるらしい。


 次にグループB(3人組がいるところ)だ。出された情報をまとめたり、話し合ったりすることが行われる。それを午前中に行い、その後木材の採取が始まる。ここも似たような感じだった。


 そして、グループC(シリアルキラーがいるところ)だ。死体を確認しに行き、破壊しようとしていた。すでにその死体はなく、死体を持っていくやつが森の中にいると情報共有をしている。こっちの場合は、魔物を殺して強くなる班と、食料や木材を集める班、家を守る班に別れているようだ。


 グループD(魔力強化を使えるようになったところ)だと、森に行く班か、ご飯を集めるかの2択になっている。しかも、森に行く班はいつもの半分程度だ。その残っている人たちに、魔力強化を教えていたのだった。


 情報を独占しないタイプか・・・。もし独占をしていれば、そのグループの中で圧倒的な1位の状態を維持できていただろう。その技術も一瞬で伝達していき、その日に街に残っていた人たちは魔力強化を獲得していた。これを少しずつ広げていくみたいな感じだろう。


 そして、グループCは、元の街に土魔法で釜戸のようなものを作り、その中に火や木材を入れることで火を確保しているようだ。火は、ゴブリンが放ち家を燃やしていたものを利用している。そして、近くの草原を探索し、動物を殺してそれを食糧にするという生活をしているようだ。


 ゴブリンに殺された仲間を見て、手を合わせていたり、ビッグスライムを殺したものと確認すると、蹴りを入れたり磔にしたりしていた。精神的に不安定な状況だ。召喚魔法でスライムを呼び出し、それを枕にして眠っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る