第20話 1年目(2ヶ月半)

 あのゴブリン襲来イベントが終わってから、3時間が経とうとしている。その間にすべきことはただ1つだ。今回のイベントの発生するトリガーを何にするのかという会議が行われている。


 ビッグスライムの時なら、一定数殺すことで発生することが条件となっているため、その発生ギリギリを見極めやすい状態だ。


「だから、その案はダメだって言ってるでしょ?」

「なんでですか?ゴブリンを一定数殺すと出現するようにすればいいじゃないですか?」


「それだと、あまり人がいない時に発生した時にどう対処するの?」

「えーと、それは・・・」


「色々な想定が思いついていないのなら却下。はい次の案。次のイベントに回す?あー、クリアしていないグループ専用でそのゴブリンを出して、クリアしたグループは次の魔物と戦うって感じ?」

「はい!」


「報酬はどうするの?」

「半分か、それ以下、なしの3つと考えています」

「うん。それなら良さそうかな?あとは追いつくことができるように経験値を少し1.1倍程度の多さに設定できる?」


「できるよー」

「ならよし。クリアできなかったところは次もゴブリン戦闘をしてもらうか。次に出す魔物だけどどうする?今のところ考えているのはオオカミとかのスピードタイプだけど?」


「次の学びはなんです?」

「魔法の命中率の大切さかな?ほらスライムの移動速度はゆっくりで、ゴブリンは直進だったでしょ?当てるのはもう簡単じゃん?魔法をミスして、魔力消費の無駄が起きることが少なかったわけよ」


 最初は何も知らない状況から始まる。そのため動きがとろかったり、次の行動が読みやすい魔物だけを出していた。これもレベルを上げやすくするためだった。ある程度レベルが上がったのだから、次の段階に行ってもいいはずだ。当てにくい魔物で魔力の無駄を大きくしてもらう。それが次のお題となる。


「小型の魔物とかどうですか?」

「ありだけどその分素早いから、物理攻撃も当てられなくなるからねー。一旦保留で」

「魔法防御を上げるというのは?」

「それは次かな?次のお題の時に敵の弱点を探す的なものをするつもりだから、その時の物理防御と魔法防御が高い魔物を用意するつもりだよ」


5分が経つ。


「動きの速い魔物を見つけてくること、これ次のお題ね。考える時間も無駄だし、解散」


 それと同時に色々な神が出ていく。そして、会議に使われていた部屋に2人の神が残った。


「どう?神のお眼鏡に叶う人いた?」

「今のところは5人かな?」


「あー、シリアルキラーと3人グループのところ、魔力強化を覚えた人あたりかな?」

「おっ正解」


「まだ、加護とかは禁止にするように伝えてね?まだ加護は早いからね。1年が終わってから解放の予定にしているって伝えることも忘れないようにね」


 シリアルキラーが誘われているのは死神とかそっち系だろう。そして3人グループのところは生産職関係のどこか、魔力強化を覚えた人は武神かな?


 キャラ濃いから会いたくないんだよな・・・。性格からして頭から根暗、脳筋と酒カス、熱血だ。うるさいからなー。悪い奴ではないけど、絡まれたくない。

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