第19話 1年目

「まずは、グループAから行こうかな?」


 グループAは真面目くんのところだ。真面目くんを筆頭に統率が取れているため特に問題はなかった。


「最初に選んだ理由は特に面白味のないものだったからかな?統率が取れすぎていて、選ばれたものがポーションと経験値しかなかったからねー。もっとアホなものを期待していたんだけどね。前回の食品のように」


 1つずつあった食品と調味料のうち、1番のハズレ扱いになっていた食品はここから出たのだった。とりあえず、これを回してね。ゴブリン側からは何も見ることができず、人間からははっきりと見ることができる状況だ。


 黒と白の球が合計で生き残っている人数分になる個数を入れられる。そして用意されたものは、よくスーパーとかのくじ引きで見るような、あの回すやつだ。1つだけ金色を入れた。ギャンブルのようなものだ。


「金色は効果半分で両方ってのはどう?まあ、拒否権はないんだけどね」


 指パッチンを鳴らし、合図を出す。その飛び出している取っ手を掴み、工兵の胸にAと書かれたバッチをつけたゴブリンが回し、1つのボールが飛び出した。そのボールの色は黒く、あの金色と離れてしまったようだ。


「なーんだ、黒色か。えーと内容は経験値かな?全部の経験値を上げるのも納得がいかないし、殺した分だけの経験値を付与しておくね?実質イベントの経験値が2倍だよ。よかったね」


「次は、グループBだね」


 グループBは3人グループがセットになって飛ばされたグループだった。この元になったいるものは、森の情報と石材だ。


「グループBもそれほど、面白いものはないんだけどな・・・。森の情報と石材だね。対比的に3:1か・・・準備できたから始めようか」


 出てきたのは緑色で、森の情報だ。


「全ての情報はないからね。そこだけは気をつけてね」


 森の情報に書かれている内容は、出ている動物や食べることができる植物、水源となる川の位置、魔物の種類だ。森の中にレアな魔物や動物を放っているのだから、その情報は伏せている。


「グループCだね。」


 グループCはシリアルキラーがいるところだ。ここも前回と同じように


「経験値とポーション、1つグレードが上がった武器か」


 経験値とポーションが大半で、1人だけ武器を選択している。その結果は透明でポーションだ。武器は、自分で作ることもできるし、ドロップでも手に入れることができる。森の奥に聳え立つ山の方には鉱山になっている。そこで鉱石を採取すれば自分だけの武器を作ることもできるようになるだろう。


 森の中と言われていたのだから、山の情報は出していない。見つけたもの勝ちだ。そしてグループDは、経験値1択になっている面白味のないところだ。


「グループDはもう経験値渡したからね。1つしかないのは面白くないよ。最後はグループEだね。魔法のスキルか。面白いね。けどそれだと1歩頭が出てしまうから、運ゲーにしようか。ハズレは経験値半分が1個、当たれば魔法のスキル。初めてだから、好きな魔法も選ばせてあげよう」


「じゃあ、よろしく」


 50%の確率を引き、当てたのは魔法の方だった。そして、選ばれた魔法は土魔法だった。汎用性の高いものを選んだね・・・。人気はないけど。


 トントンっと肩を叩かれる。そして振り返ると紙が渡された。


「ふむふむ。ふふ、アハハ」


「面白くなってきたよ。これ言って大丈夫なの?あOK?了解」


「重大発表かな?ドラムコールスタート!」


 その合図とともにドラムコールが鳴り始める。


「発表は!神に雇われるかもしれません!」


 紙に書かれていたのは採用するかもしれないと書かれた紙だった。


「戦い方とか戦術とかから、神からの勧誘があるかもしれないよ。途中で抜けることはないから、そこは安心してね。これで発表は終わり!良きデスゲームライフを!」




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