第15話 1年目(2ヶ月経過)

 今回びイベントで召喚されるのはゴブリンだ。武器も金属製のものを使っており、軽く扱うことができる程度の能力は持っているようだ。1番使い試してみたいと考えているのは、何もまとまりがないグループと纏まりがあるグループを対決させようというのが狙いだ。


 ゴブリンの方にはゴブリンキングが存在しており、指揮をとっている。まあ、こいつを殺せばあとは残党になるため、戦闘も楽になるだろう。殺せればの話だが、ゴブリンキングのステータスは今の1番成長してるテイマーやシリアルキラーの2人の4倍程度の強さをしている。


 ゴブリンキングが自由に動くことができれば確実に殺されてしまう。そのため、一定範囲は動くことができるが、それ以上は動くことができないように設定している。その範囲内に人が入ってくるとその人間を殺すことは許可している。


 ゴブリンキングが使うことができるのはその指揮能力だけだ。残りは多数いるゴブリンを殺せば勝利は確定だ。今回は少しヌルゲーだろうなー。開始時間になった。


「今回の相手はゴブリンキングだよ。頑張ってね。じゃあ制限時間1時間。開始!」


 魔法陣を発動させるスイッチを押した。1グループあたり出現したゴブリンの数は150だ。残っている人間の数倍近い数のゴブリンが波のように押し寄せる。弱くしていても100体だ。その奥でどっしりと足を組んで玉座に座っているゴブリンキングが存在しいる。


 あれが最終ボスだ。準備期間を与えていたのだから、こうなるのは当然だ。前回はウェーブごとに送り込む形を取っていたが、今回はこの150体がフルで使われている。戦術を使うなら追加されるよりも、最初から全部出す方が都合がいいだろうと判断していた。


 ゴブリンの内訳だが、盾、槍、弓、魔法の4種類しか存在していない。ゴブリンキングを交える会議では、邪魔にならないように近接武器を使うのが1種類の方がいいだろうという結論になり剣を持ったゴブリンが消去された。


 盾を顔の前に構えながら横を見て、合わせながら街の方に走りにいく。人間側は矢を用意していたが、盾で防がれるためあまり効果はないように思える。そして、盾を持った状態でやってきた1体の魔法使いがその堀を1ヶ所埋めた。そこが通り道となりゴブリンが2つ目の溝に流れ込む。


 入り込まれることに警戒をしていたため、その反対側に回り込んでいるゴブリンに目が行っていない。堀に落ちたゴブリンは手に持っているスコップでその堀を削り堀から出るための坂道を作り出す。


 それと同時に横に移動し、今度は堀と堀をつなげる道を作り始めた。上から見ていることで堀の奥の方は見ることができない。そのため、掘られて抜け穴を作られていることは誰にも気づかれていないようだ。


 この工兵が各グループに3体ほど存在している。魔法使いが道を作ったところに流れ込むゴブリン、魔法によって殺されながら進むことで堀に死体が溜まっていき新たな道となる。その道を踏み、2段階目の堀にやってきた。地面の方は、最後の堀の方にたどり着いているようだ。その抜け道を伝い、2体のゴブリンが会話をしている。


 そして、腰から取り出した笛を持ち、大きく息を吸い込みその笛に吐き出す。合図がなった。

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