第13話 1年目

 特に面白いことも起きず、さらに1ヶ月が経過する。結局のところ、食糧特に水分が足りずにその残った最後の1人が死亡し、ビッグスライムと戦った人たちが復活する。


 ゴブリン狩りも安定してきたことから、今まで組んでいたパーティーを解散し、その復活した人を入れるパーティーを新たに作成する。大体の人が復活したからいいか。


「おひさー。みんな元気かな?ビッグスライムから1ヶ月が経ったよ?」


 復活した組はまだその現実を受け止めることができずに困惑しているようだ。


「なんで復活しているんだ?って顔をしているね?最初に死ぬって言われたはず?そんなこと誰が言った?死ぬとは言ったけど、死んだ時としか言っていない。その死ぬタイミングは誰が決めると思っているの?そう神だよ!」


「死んでも生き返るから安心してね?ってことを伝えておくね。ほんと、本来ならいうつもりはなかったんだけどね・・・。まあ、頑張れー」


「それがまず1つ目、2つ目はビッグスライムの討伐かな?成功したのは1グループもありませーん。雑魚どもが、真面目にやってくださーい。特殊条件下で召喚するように設計したから頑張って戦うなり逃げるなりしてね?」


 ビッグスライムを召喚する魔法陣をセットする。


「条件は言うわけないよ?頑張って検証あるのみ。1体でも殺すことができれば、条件下での召喚は無くすからねー」


「最後の連絡かな?1ヶ月後にまたイベントするから備えていてね?弱いやつは見捨てるから、よきデスゲームライフを。そして残り5年の寿命を噛み締めろ」


 ビッグスライムの魔法陣を稼働させる。条件は、スライムの討伐数だ。グループ内でのスライム討伐数が一定の数値に達するとビッグスライムが召喚されると言う仕組みになっている。


 その結果、何が起きるのか?それは生き残ったところが即ビッグスライムとの戦闘になると言うことだ。スライムが補充され、散っていく。これが次もビッグスライムとの戦闘がを開始するトリガーとなる。


 報酬なんてクリアしてからの話だ。クリアしていないものに報酬の話なんてするわけもない。あのビッグスライムをテイムしたところは危なげなく勝利をした。テイムしたビッグスライムを現れたビッグスライムにぶつけた。1ヶ月の強化期間があったことから、それによりレベル差が生まれる。そのため、HPが結構削れてしまったが、召喚されたビッグスライムに勝利する。このグループは死者数が0だ。


 だが、ここでビッグスライムを殺そうとしていたグループが動く。狙いはテイムされているビッグスライムの殺害だ。今までの1ヶ月の間、ビッグスライムを殺そうとしていたが、ステータスが足りないと判断し殺すのをやめていた。だが、殺すとすれば今日が最初で最後の場面だ。


 前衛が走り出し、テイムされているビッグスライムに攻撃をする。だが、ビッグスライムは反撃をしない。攻撃をすればそのテイムされた主が危なくなってしまうからだ。


 そのため、反撃をせずにそのビッグスライムが討伐されてしまった。その経験値は攻撃をした反ビッグスライム派だった。と言うよりかは、ほとんどの人がその派閥に入っていた。


 テイムしたものが強いと言うことはテイムした人も、豪勢に生きることができると言うことだ。そのため、羨ましく思うもの、取り繕うとするものといった形に分かれる。その嫉妬で起きた悲劇とも取れる。


「人間ってやっぱり愚かだよねー。そう思わない?」

「そうですね。それは置いとくとして魔物の強さどうします?」

「んー悩むねー。ビッグスライムが生きていれば・・・って思わせるのなら強くするか?それだと他のところが殲滅されて終わる。・・・ギリギリクリアできるかどうか当たりだな・・・。強さの変更はなしかな?微妙な調節ができるようにしておいて」


 シリアルキラーも動くことはないしな・・・。ビッグスライムの対処ばかりをしているから、何も起きない。

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