第11話 1年目
次の日になると、スケルトンはすでにいなくなっており足跡は森のほうに向かっている。その結果、死体を作った犯人はあの森の中に潜んでいると決定されている。ネクロマンサーの職業については知っている人がいるはずだ。
だが、そのネクロマンサーの話は一切出てこない。知っている人がいれば、その人が犯人に仕立て上げられる可能性があるからだ。誰も知らないはずの情報を持っていう。それすなわち、そいつが犯人の可能性が高いと考えるのが自然なはずだ。
そして、このグループの中にも、この世界に人間という種族は存在していないという情報をシリアルキラー以外で知っている人もいる。その人は情報を出さないようだ。どうやらこれ以上無駄な犯人探しの時間を使いたくないというのが理由だろう。
次の目的位置が森の中に決まった。やっと世界が進んだといっていいだろう。他のところはこのままスライム狩りを継続するところも相次いでいる。ただ、あのビッグスライムをテイムしたところでは、すでに森への侵攻が始まりその手に入れたスライムで現れるゴブリンを薙ぎ倒している。
ちぎっては投げちぎっては投げといった形だ。だが、殲滅して嬉しいのは自分だけだ。経験値が独占されるため、それを良しとしない人が現れ出す。あのテイマーにとってこのビッグスライムは唯一無二の相棒みたいな感じだ。
木を切り開く作業も順調に進んでいき、開けた場所も作ることができている。もう、しばらくは敵がいない状態になった。どこも今後に生き残っていく会議は行われているようだ。その晩のことだ。このグループでの会議では、あのビッグスライムをどうするのかという議題が挙げられている。
問題として、経験値の独占と住居の大きさという点がある。食費はそんなにかからないが住処として塀を広くするという作業が仕事として追加されていた。それをしていることで森に近いところに住居を立てるという計画が飛んでいたのだった。
水も魔法で出してもらっているばかりなので、水を確保できるところに行きたいというのが理想だ。だが探したり、この住居に帰ったりするのに時間がかかる。そのため住居を移動するか、他に新しく作り直すかと考えていたのだった。
だが、良い点として、次のイベントを安全にクリアすることができるということや、木といった必要なものを集めるときに魔物が邪魔に入ってこれないといったことがあげられる。
それを自分がレベルアップして強くなればできると一蹴する。言い方としては他に強いやつが欲しいといっているように聞こえるのかもしれないが、こいつが考えている本質の目的は、自分より強いやつや上手くいっているやつを許すことができないという思考回路からこの案を出している。
次の日になり、ビッグスライムの主に今のレベルを聞きにいく。その解答はレベル24だった。ビッグスライムを討伐?したこのグループにも経験値は入っているのだが、ビッグスライムをテイムした人にはテイム報酬も入っている。それにプラスして、今までの経験値だ。そのため、完全に戦闘職のレベルを超えていた。
そのリーダーのビッグスライムを殺す決意は固まってしまった。それに賛成するように何人かの戦闘職が集まり、今晩決行されるようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます