第10話 1年目
朝になり、その死体が見つかる。犯人はこの中にいるのだから、ここから犯人探しが始まった。まずは定番にアリバイ探しからだ。と言っても誰もアリバイというアリバイはない。疲れて眠っていたのだから当然のことだ。
そんな犯人探しに時間を取られて、修復が間に合わなくなることに気がついたようだ。なぜか神のせいにされ。皆もそれに納得がいく。その犯人探しは夜に再度行うこととなり一旦解散となる。
そして、夜がやってきた。その会議が行われる。もし犯人が見つかった時にはこの町から追放するということが決まった。真っ先に出たのは恨みを持っているような人間だ。
理由としては単純、ここなら犯罪を犯したとしても法律で裁くことができないからだ。まず、恨みを持っていた大工が挙げられた。大工の人はこの殺された人から脅迫を受けていたようだ。
大工という職業もあり、家を作る必要がある。その値切りに失敗したことで嫌がらせに走る。戦闘職と生産職だ。そのためステータスに差が大きかった。だが、今回のビッグスライム討伐で手に入った経験値で殺すことができるようになっただろうと判断したようだ。
もちろん、殺すことはできるようになっている。だが、それはもっと前からだった。スライム1体の経験値よりも家を作る経験値が高いのは当然だ。もう、戦闘職のステータスを抜いている大工も存在はしている。真面目に働いていたこの大工もその1人だ。
ステータスを皆に見せることを強要していた。だが、ステータスが低いのなら殺すのも不可能だろう。そして、ステータスを見せた瞬間どよめきが走った。どうやらほとんどの人のステータスを超えていたようだ。
そのため犯人説は濃厚となる。そこから人々の不安から監視社会へと変わった。夜のうちに部屋に入ってきたものは殺すと言い出し、同じように自分もそうすると言い出す始末だ。
だが、人間は寝ないといけない。その寝ている瞬間が無防備になるのだ。何も起きずにその日が終わる。寝落ちしたものや不安で寝ることができなかったものが多々いる中、あのシリアルキラーはぐっすりと寝ていた。
殺したのが自分だとわかっているのだから、わざわざ寝不足になる必要はないと判断したようだ。その寝不足の中、肉体労働をし再び夜がやってくる。寝不足に肉体労働だ。相性は良くなく、まだ会議中だというのに船を漕ぐ奴も現れる。
そのため、もう解散となった。この晩シリアルキラーは動き出した。まずは死体が溜まっているところに移動し、スケルトンのアンデットを作り出した。病気が広がらないように火葬処理をされているため、あり得るとすればスケルトンだった。
そのスケルトンを指揮を取っていたものに向かわせた。初心者が作った家だ隙間が空いているのは当然のことだ。その隙間から光が漏れていた。そのためまだ起きているのがわかる。
スケルトンが3体その家に向かった。武器は何も持っていない。武器は共通の家で保管されており、死んだ仲間の分は予備として置かれているくらいだ。それを持ち出すのも何かしらの許可がいるという感じになっている。
そのスケルトン3体が家の扉も前でノックをする。
「はい」
それと同時に指揮を取っていたものが扉を開く。殴りとして突き出された腕を掴み、投げ飛ばした。そして立てかけてあった剣を拾い、そのスケルトンの頭を砕き、動くことができない状態にする。
朝になり、原因がこのスケルトンであることが伝えられた。まだ、寝不足が多い中、その話をされたことで思考がまとまらず、最初の死骸が刺し傷であったことは誰も触れることはなかった。その殺人は魔物として復活したスケルトンだったということで話し合いが終わった。
この日は食料や木材が減っていることからその回収に行くことに決め、食料に余裕が出てきた時に遺骨を粉砕することが決まった。
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