第8話

 経験値欲しさにまだ戦っているところは、犠牲を出したが決着とまではいかない。残っているこの5グループが生き残った。正直、本気で取り組んでいれば10グループ全部残る程度に考えられていたボスだ。


 少しサボるやつが多かったかな?とりあえずクリアしたものに連絡だな。テイムされたビッグスライムではないこちらに所有権があるビッグスライムを呼び戻す。


「はーい。30分経ったよ。お疲れ様〜」


 その声を聞いた途端地面に倒れ込む人が続出する。下手すれば死ぬという緊張感があったのだ。精神的な疲労から座り込んでしまうのは仕方がないだろう。


「報酬は何がいいかな?1つは決まってるんだけど。もう1つがね・・・。アンケートをしてからクジでも引こうかな?うん、それが良さそうだね。アンケートを渡すから、これを読んでおいてね。報酬もつけているから」


 アンケート報酬は、回復薬、いわゆるポーションだ。まだ弱い部類に設定されているため、部位欠損とかは治ることはないが減ったHPや魔力が回復するという効果を持っている。


「使っても使わなくてもどっちでもいいよ。効果は、HPの半分回復するのと魔力の全回復だよ。ちなみに生き残った人だけの得点だね。アンケートが終わるまでゆっくりとしていてね」


 さりげなく、死んだ人が復活するという情報を流している。これに気がついたのは生き残った上で情報を知らない人の数人だけだった。そしてアンケートの結果が出てきた。


「一応、解答のやり直しできるんだけど。これでいいのかな?一応再確認して了承ボタン押してね」


 本当にこれでいいのだろうか?


「アンケートの結果は、この回復ポーションの配布、グループの統合、ビッグスライムの経験値を個人で全てもらえる、調味料、好きな食べ物を食べることができる、一番多かったのは経験値かな?その次にポーションって感じだね。あと、家の復活とかあったけど、それは個人でしてね?」


 指パッチンで全てボールに変える。アンケートで出た意見の個数分だけ数を増やしている。


「さて、ここから引くのは最多キル数のビッグスライムくんです!」


 空中に映し出されている画面が、引き気味になりビッグスライムの全貌が見える。そして無色透明の箱に作られたボールを入れられた。そしてどこからともなく巨大な腕が出現し、その箱を揺らしボールの場所を変える。


 ここから1つのボールを取り出してね。と命令を出す。ヌルゲーになったとしても難易度を上げればそれで済む話だ。


 それぞれの願いは1つだ。調味料と好きな食べ物は来るな!そう願っているようだ。その願いがこのビッグスライムに届けばいいんだけどな・・・。


 ビッグスライムがゆっくりとその箱の中に入っていき、体でかき混ぜながらいつのボールを取り出す。遠目で見ても分かりやすくするために、それぞれのボールに色をつけていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る