第3話 1年目:5年目まで
1年は365日計算となっている。それが5年間ということは約1800日だ。この期間で成長をしていく必要がある。死んでも復活するが、それを知っているのはごく少数だ。念の為再び質問した人たちが、この修行期間で死なないことを確認している。
質問内容を共有するかどうかが問題だ。ここで嘘の情報を共有してもいい。果たしてどう出るのかだ。
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質問タイムが終わった人から順番に時間が止められていき、最後の人の質問が終わると同時に転移させられる。名前を書いて成功した人は別で1回近くで集まってから、再び転移するという流れになっている。人間の姿を捨て、魔物になった人も数人いる。転移が開始され、それと同時にタイマーが開始された。
人々が転移された場所は、開けた荒野だ。背の低い草木が生えており、スライムが点々としている。少し歩けば、森の近くにやってき木材や木の実といった食料を入手することができる。ただ、川は森の中にあるため、森を探索しながらその場所を見つけるしか方法はない。
そして、何もない空間に出されたものはボーッとしながらあたりを見渡している。まるで誰かが迎えにきてくれることを期待しているかのようだ。
人が存在していないことを知っている人はすぐに、スライム狩りを始めレベルアップをしようとする。他の人たちはただボーッとしているだけで動くことはない。ここで新たに差が生まれていく。
中にはリーダーシップを発揮して、命令を下している人もいる。夜を備えるために、風を防ぐことができるようなものを探そうという判断だった。森に近づくほど、魔物が強くなることをまだ知らない。
まずは1人目がスライムによって殺されてしまった。死因は窒息死だ。スライムはコアを潰せば殺すことができる。だが、コアを壊したとしても数秒間は自由に動くことができるのだった。その隙を付かれ、コアを破壊した瞬間に顔に張り付かれ窒息死させられてしまった。
これが1人目の死だ。脈を測って本当に死んだことを確認すると、泣き喚く姿がある。これが本当のデスゲームだとわかったようだ。
だが魔法で殺し、逃げれば追い付かれないという特徴を見つけてからは殺すスピードが格段に上がっていく。対処法はいくつかあり、体を削ってからコアを殺すという方法がある。
全てのモンスターは死ぬ直前になれば、火事場の馬鹿力のようにリミッターが外れる仕組みになっている。そのため、素早さは変わらないが筋力が格段に上がるという特徴がある。
パーティーも組まずにソロでスライム狩りを始め、1人目がレベルアップを果たす。最初にレベルアップしたのは魔法使いを選んでいた男だ。あの質問をしてきた男と言えばわかるだろう。
殺してすぐにドロップを拾わずに即移動、遠距離で魔法を撃ち殺すという作業を続け、最速でレベルが2に上がる。と言っても減っていた魔力やスタミナが回復してステータスが微量上がるだけだ。
特に狩り効率が上がるわけもない。困惑し何もできないもの、スライム狩りをするもの、死ぬもの、家から作り始めたものに分かれた。
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