第4話 気になる…
(はあ~、にしても桃に好きな人か〜、ホントに気になるなぁ・・・)
衝撃の事実を知ってしまった私は、質問をした事を後悔し、複雑な気持ちで次の授業に臨むことになってしまった。
(こんなの気になって集中できるわけない・・・)
担任の授業そっちのけでノートに疑問を書き連ね、常人が見たら恐怖しそうなノートが完成しようとしていた時、
「次、来栖〜これ答えてみろ〜」
「えっ、あっ、はい!」
「ん〜どうした〜?来栖が慌てるなんて珍しいな。というか顔色悪いけど大丈夫か?しんどかったら保健室で休んでてもいいぞ〜」
「い、いえ、大丈夫です。」
(ここは昨日予習してたところだ。助かった・・・)
凛は基本、学年上位のテストの点数を取れるほど頭が良く、それがしっかりとした努力の下にあるということが幸いし、なんとか答えることができた。
「よし、正解だ。ただ、あまり無理はするなよ。」
「はい、ありがとうございます。」
(先生、もう心は無理な状態です。)
今にも心の黒い何かがこぼれそうなのを必死にこらえ、凛は自席に戻り着々とノートを完成させていく。
「じゃ、次、姫乃〜これ解いてみろ〜」
「はいっ!」
「おっ、元気だな。なにかいいことでもあったか?」
「そうですか?普通ですよ〜。強いて言うなら自信があるからですかね?」
鼻歌でも歌い出しそうなテンションで書き進める桃だったが、
(いや、間違ってるし・・・)
「いや、間違ってるぞ・・・」
凛の心の声と、先生の指摘が見事にシンクロした。
「嘘ぉ!」
桃は成績が悪すぎるというわけではなかったが、学年でも中の下ほどで、テスト前はいつも凛に泣きついて勉強会が開催されるのが恒例だった。
(恥ずかしくて顔真っ赤じゃん。可愛すぎか?)
ちゃっかり一部始終を見ていた凛は、桃の可愛い成分を摂取し、少し元気を取り戻していた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「桃、今日一緒に帰らない?」
「え!凛から誘ってくるとか珍し!もちろんいいよ!」
HRも終わり、皆が帰宅や部活の準備をする中、凛は桃に下校の約束をする事に成功した。
「じゃあ、また後でね!部活頑張ってね!」
「うん、そっちこそ頑張れ。先に終わったら昇降口で待ってる。」
(とりあえず下校中に詳しい事を聞き出さないと。まぁ、とりあえず部活頑張ろ!)
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