第3話side 桃後編


「ま、待って!」


「ん?どうしたの?やっぱりどこか痛いところでも?」


「は?こんなときも心配って、イケメンすぎ ボソッ/」


「ん?何か言った?」


「い、いえ、なんでもないですぅ」


振り返ってまたこっちを心配してくれるこのイケメン・・・好き・・・ いや、そうじゃないだろ私、勇気を出せ


「あ、あのっ!私と...友だちになってくだひゃい」

盛大に噛んでしまった私の言葉の後一瞬静寂に包まれ、私は・・・

(いや、恥っっっっっず!ひよって友達とか言ってるし、その上で噛むとか、てかお礼して ない じゃん!何やってんだ私最低か!いやこのイケメンなら許してくれそうだけれど!)

アホほど恥ずかしがっていた。当たり前だ。


「ふふっあははははは!」


「ううー恥ずかしい・・・」


「ごめんごめん、我慢できなかった。それにしてもかわいーね、君」


「ふへ?」


「君みたいな子と友達になれるなんて光栄だね。もちろんいいよっていうか嬉しいな。これからよ ろしくね。えーっとそういえば名乗ってもなかったね、私は凛、来栖 凛。君は?」


「あっ、わ、私は桃です!姫乃 桃!よろしく、お願いしますぅ」


「桃ちゃんね、覚えた。うん、よろしく。ネクタイの色的に・・・私と同じ1年だね。そーいえば、うちの クラスの男子がよく隣のクラスの来栖が〜って話してるけど君のことか。うん、納得したよ。こんな かわいいんじゃ噂にならないほうが無理だよ」


「あ、あのぉ、それくらいにしてくれると嬉しい、です。」

(え?私を殺す気なのかな?せっかく友だちになれたのに私が死んだら元も子もないんですけ ど!?)


「ん?ああ、ごめんごめん、つい本音が。」

(グハァ)

とどめを刺された私の心は好きで溢れて死んでしまいそうだった

(あれ?ってか私って・・・)


「ん?ああ、私は女だよ。正真正銘。信じれないなら触ってみる?」


声に出てた!?というか私の手を胸に・・・って


「大丈夫です!信じます!だから手を離してください!」


「ん?そう?あんまり信じられないからつい」


「え、いつもそうやって確認を?」


「いや?君だけだよ?君はかわいい私の友達だから特別」


「やっぱり殺す気なんだぁ」


「なんでそんな物騒な話に!?ち、ちょっと〜?」

倒れる寸前で抱きかかえられ、本当に昇天してしまいそうな時


「あっやばっ」


「え、ちょっ、やっぱり大丈夫じゃないじゃん!」

凛が鼻血を出していた。


「ああ、制服に垂れて!」

さっきまで昇天しかけだった精神をひっ捕らえて すぐにポケットからティッシュを取り出し胸元に垂れた鼻血を拭く・・・拭く?


「んっ///」


「あっ、ごめん!でもシミになるからちょっと我慢して!」 (今は耐えろ、私!)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ごめん・・・」


「まあ恥ずかしかったけど。大丈夫だよ。むしろありがと。」


(はい、まごうことなき女の方です。柔らかかったです。ごちそうさまでした。って、何考えてんの!)


そんな激動の出会いをしたイケメンは、今、目の前で勘違いして絶望しています。

(あんな事があってあなた以外を好きになるわけないのに。はは、おでこ触ったら幸せな顔してる。かわいい)


「そりゃぁ桃みたいな人にこんなことされたら幸せでしょ」


(ちょっと、さっきまで可愛かったのに急にイケメンにならないで!温度差で風邪引く!こ、こうなっ たら・・・)


「そ、そういえば!凛には好きな人いないの?」


「え、桃の事が好きだよ?」

(うん、知ってるけどやめてね、風邪通り越して死んじゃうから)



(いつか伝えるから、それまでは・・・)



「え、ちょっと、凛?凛〜?やっぱ体調悪いのかな!?」





お読みいただきありがとうございます!

最初は桃がバレバレなのに凛は気づかないし、今は凛がバレバレです。

まったり書いていきますので少々お待ち下さい。

励みになりますので、♡、フォロー、コメント、よければぜひ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る