第7話 偉業
俺はドラゴンを初めて目にする。
硬い鱗に獰猛な瞳、そして牙とほ能が漏れ出ている口。
赤い体に鋭い爪。
俺はお守りに銅の剣をさし、この街で一番の鍛冶屋にそろえてもらった装備を着こんで、ドラゴンと対峙する。
ローガとプランさんは幸か不幸かこの街にはいない。
俺は逃げ惑う人々の中で勇者を見つけた。
俺のことをぼこぼこにした勇者だった。
勇者はなにか口上を述べて、勇敢に突撃する。
神官と魔法使いも何やらサポートをしているが、俺は修行の成果ではっきりと勇者の実力を理解する。
俺より弱い。
そして当然、竜より弱い。
なぜこの街にドラゴンが来たかはわからない。
誰かが封印を解いたのか、あるいはただのドラゴンの気まぐれか。
いづれにしてもドラゴンが最強の魔物であることに変わりはない。
俺はボロボロになった勇者と神官魔法使いを魔法で治療しながら安全な町へと飛行魔法で移動する。
俺は剣を握り、あらためてドラゴンを見つめる。
ドラゴンは俺のことを虫のように見る。
恐怖は不思議となかった。
ただ街の人を守るために俺はやってきていた。
正義の味方のような真似?
違うな一攫千金と自分の実力を試したくなったからだ。
俺は魔力を急激に高め剣に込める。
ある母親と思わしき女性と綺麗な女が倒れ込む。
俺は彼女らを守るように斬撃を飛ばす。
一瞬の出来事だった。
竜の首が吹き飛ぶ。
目の前で倒れた女性を助ける。
感謝の言葉を述べられる。
そして俺はそそくさとギルドに報告して多額の報酬をもらう。
俺は目立つのが嫌いだ。
だが、俺の実力は陰で噂されるようになった。
勇者よりつよい銅の剣をもった冒険者の俺のことはいつのまにか歌になっていた。
若い女はかなりの巨乳で茶髪をボブヘアにして聡明な顔をしている。
その顔が俺をみて紅潮しているのが分かった。
何かお礼を言われたので、俺は俺の世話をしてほしいといわれた。
彼女は二つ返事をした。
彼女とその母親は失職したばかりだったらしい。
買い物の途中であの竜にであったのだとか。
俺は誇らしい気持ちで眠った。
そして別れは突然おとずれる。
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