第3話 決意
ローガとプランさんは、酒を飲みながら俺の簡単な事情を聴いた後、一言いった。
「自業自得じゃねぇか。聞くだけ損したわボケ」といってローガはゲップした。
プランさんは否定もせず苦笑いする。
まぁそりゃあそうなんだけどな。
「ローガさん。僕はこれからどうすればいいでしょうか」
「知らん。日銭稼いで一生を終えるんだな。童貞のまま」
「それはいやですよ」
「情けない声を出すな酒がまずくなる」
プランさんに酒を注いでもらいながら、ローガは鼻でわらう。
「ふん、俺様ならば一発ぶちかましてやったぞ、同じ立場ならな」
「勝てませんよ」
「バカ、男には勝ち負け以上に大事なものがあるのだ。好きな女とかな」
そういってローガはプランさんに目配せする。
プランさんは照れたように笑っていた。
やっぱりこの二人夫婦なんだな。
「二人は夫婦なんですか?」
「似たようなものだ。まぁ折を見て子供を……ってそんなことはどうでもいいがボケ」
「あいた」
何も殴らなくてもいいじゃないか。
俺は悪役にでもなんにでもなれたらと思った。
正義飲み方なんて自分には向いていない。
デブだし、ひねくれているし。
「どっかで見たようなひねくれた面だな……まぁ強くならんことにはどうにもなるまい」
「強く……ですか」
「頭がいい奴は頭がいいだけ、強い奴は剣で強いとか魔法で強いとかいろいろだが、俺の言っているのは志の事だ。俺は魔王を倒したんだ、信じられないだろうがな」
「はぁ」
「そしてなんだかんだ、山賊やったりプランがどっかいったり、牢獄にぶち込まれたり、異世界人と仲間になってダンジョン攻略してプランを取り戻したりして元の世界に戻ろうと思ったんだが、どうも座標が悪かったらしく、この世界に来たというわけだ。まぁ俺様はどこにいても最強だがな。その証拠に貯めた金で小さな家、まぁ俺様の城をかうことになったのだ」
「よかったですね」
「ふん、お前のような醜男にいわれてもダメだな。お前の知り合いにいないのかいい女は?」
「いたんですけど……まぁ深い関係にはなっていないですね」
「見た目通り意気地のない奴だ」
「ぐっ」
「まぁ気まぐれでお前に俺様の強さが何たるかを教えてやってもいいが……」
「いいですよ、自分で何とかします」
「そうか」
「…………でも自慢話でもいいんで聴くだけ聞かせてもらっていいですか」
「それをする前にまずはステータスの儀式を受けてこい」
俺は返事をして宿屋の自分の部屋で眠った。
とりあえず、自分の身を守れてうざい奴をぶん殴れるくらいにはなりたいな。
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