第34話 その後とテスト結果
俺が宮里兄と会ってから数日が経った。
あの日の翌日からは明らかに山崎が明るくなっていた所を見ると山崎の方にも何か連絡があったのだろう。
因みに宮里はどうやらそこそこ有名らしく他校の俺が通っている高校にも宮里の事が知られていて話が回るのが早かった。
当然薫を経由して俺の耳にも話が入って来たのだが宮里は病院に入院しているらしい。
何があったのかはまぁ、想像に難しい事ではないがとりあえずこれでもう宮里による被害者が出る事もないだろう。
薫にも聞かれて俺がやったと勘違いされるのも嫌だなと思ったので正直に俺が兄と話して兄がやったんだと思うと話した。
詳しい事を聞かれたら説明が難しいと思っていたのだが薫はそれだけ言うと納得してくれた。
それと噂程度なので真偽は定かではないが宮里は怪我だけじゃなくて精神的にも落ちているとの事だ……何かに怖がっていたりとか、とにかく前までの宮里と比べると凄く自身がなさそうな感じになっているとの事だったがたぶんその噂は本当なんだろうなと俺は思う。
まぁ、俺の知った事じゃないのであいつの事はもうどうでも良いかな。
てか本当にあっさりと解決したのでちょっとびっくりしてはいるんだけどね。
俺としてもきららが傷つくのは見てられないし、とにかく何事もなく解決出来て本当に良かったな。
一応薫には解決したとは言ってあるのだが結局薫と話した結果きららには解決したけど教えなくても大丈夫そうと言う結論で終わった。
別に俺はきららに恩を売りたかった訳でもないし、大体終わった後に言う話でもないしな。
薫とももう宮里の事お互い気にしないようにしようとの事で落ち着いた。
そんな訳で俺たちが宮里の事を話すことはもう二度とないだろう。
それから今日はテスト結果が出る日で結果はこんな感じだった。
俺は700点と満点で当然1位。
次の2位で点数が高かったのが仁美で680点。
薫も勉強会の成果が出たようで650点で5位だった。
テスト結果が張り出されるのは10位までなので当然きららの点数は分からないが、勉強会が行われる際に作った三人にでのグループLUNEできららから勉強した四教科は赤点をギリギリではあるけど回避出来たの事で凄く喜んでいた。
まぁ、他の三教科は全部赤点だったみたいだが、他の三教科は俺たちとテスト勉強した日以外もやっていなかったらしい。
きらら曰く教えてもらった教科だけでも絶対に赤点を取らないようにしたいとの事で勉強会が終わった数日間もその四教科を繰り返しやっていたみたいだ。
◆
その日の放課後俺は薫と一緒に帰っていた。
「そういえばきららちゃんが勉強を教えてくれてありがとうって言ってたよ。凄く嬉しそうだったしね。LUNEでも聞いてると思うけどね」
「結果が出たみたいで良かったよ。元々覚え自体は良かったしな」
「そうだね。それに私も5位だったしね!ありがとうね海斗君!」
「薫もきららも俺は二日間しか教えてないし二人が頑張った結果だから気にするな。それに薫だったら勉強くらいいくらでも教えるしな」
「そっか。それでもありがとうね。ていうか海斗君満点って凄すぎるよ!」
薫は目を輝かせながらそう言って来た。
「そうか?」
「うん!本当に凄いって!先生も驚いてたじゃん!本当にカッコいいよ!!!」
先生は俺の入試結果を知っていると思うんだが……まぁ、でも満点だしそうもなるのかな?
聞いたことろによると英語と数学に関しては凄く難しく作られていて学年を通しても100点は俺しかいないって言ってし。
「薫がカッコいいと思ってくれるんだったら次も1位を取らないとな」
「海斗君だったら絶対に出来るよ!あっそういえば仁美ちゃんは海斗君が1位な事にすっごくびっくりしてたね」
「仁美が?」
「うん。なんか自分より点数が高い人がいる事にショックを受けていたみたいだね。海斗君も言ってたけど入試が2位だった事を知っていたみたいで、1位が誰かは分かっていなかったらしいけどテストでは絶対に負けないって勉強を頑張ってたみたいだね。今日の昼休みにきららちゃんを交えて三人で話している時に教えてくれたんだ」
「そんな事があったんだな」
まぁ、仁美は薫以上に勉強を頑張っていて負けず嫌いな所があるからな。
ていうかそう考えると仁美は勉強を頑張っているのに俺は王豪海斗の頭脳を引き継いでいる事にちょっと罪悪感を感じない事もないかもな……といってもだからと言って勉強に対してわざとテストで間違えるとかはしないけどね……薫には常にカッコいいと思っていてほしいからな。
「それにきららちゃんなんて大きな声を出して驚いてたくらいだからね」
それからも暫く話した後、薫は用事があるとの事だったので家まで送り届けてお別れした。
◆
★side:笹内薫
「よし、そろそろ寝よっかな」
私は海斗君と電話で楽しくお話をした後、そう思い寝る準備をしていた。
「それにしても海斗君って本当にカッコいいな」
あんなに完璧な男の子が自分の彼氏で本当に良いのかなって思うくらいには海斗君は凄くカッコいい。
顔もそうだし、運動神経もよくて性格もカッコいいし頭まで良いんだから本当にそう思う。
お金持ちって事もびっくりしたしそれも自分で稼いでいるなんて凄すぎるよね……
でもまぁ、お金持ちって事で海斗君をより好きになるとかはなかったな……私はお金を重要視していなからね。
働いていない学生だからって事もあるのかもね。
大体私はこれ以上好きになるのかってくらい既に海斗君の事が大好きなんだけどね。
それに今回の宮里君の件もそうだけど海斗君が大丈夫って言うと私も凄く安心できるし、本当に海斗君は頼りになる。
そのおかげで私も安心してきららちゃんと一緒に居れたしね。
それより海斗君が解決するスピードが速すぎてびっくりしたな。
宮里君はどうやらお兄さんにやられて入院したって海斗君が言ってたけど、宮里君ってお兄さんと仲が悪かったんだ……
中学生の頃はお兄さんの名前を使っていたからてっきり仲がいいものだと思ってたな。
「ていうか結局真って……」
月曜日の真は明らかに様子がおかしかった。
ずっと上の空だったかと思えば時々頭を抱えていたしとにかく様子が変だった。
それにきららちゃんと話すときだけそれは如実に表れていたんだよね……
きららちゃんに何かを話そうとして止めたりおかしなことを言ったりとね。
あの感じからすると宮里君が真に近づいたのはきららちゃんと近づく為かもって言っていた海斗君の予想が当たってたっぽいかな。
真の様子からも察せるようにね。
「まぁ、気にするのはやめようか」
海斗君とももうあの事はもう忘れようって事になったしね。
真に関しても火曜日からは凄く元気になってたし今更気にしても仕方がないし。
とにかく今回の一件で分かった事は海斗君が本当に頼りになってカッコいいって事だね。
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