第25話 テスト開始
土曜日の勉強会と日曜日の勉強会が何事もなく終わってついにテスト当日の木曜日となった。
今日の木曜日は四教科テストがあり午前で学校が終わる。
因みに俺も二人と一緒に勉強をしていたが、二日目は自分の勉強は全くせずに二人にずっと勉強を教え居ていた。
薫も10位以内に入るくらいには成績が良いが、それでも分からない所は数々あるとの事だったので教えることにした。
後、薫はきららにも教えないとって責任感から自分の勉強を疎かにしてまできららに教える勢いだったので、俺がきららにも教えるからと自分の勉強に集中してもらった。
きららに関しては土曜日に二教科、日曜日に二教科勉強をしていたのでその四教科は何とか赤点は取らないだろう。覚えが凄く速かったので教えるのも楽しいと感じたくらいだった。
この高校では50点以下が赤点となっているからそのくらいだったら何とかって感じだと俺が見ていた時には思った。
俺が一緒に勉強をしたのはその二日間でそれ以降の月曜日、火曜日、水曜日は学校もあったので時間もなかった事もあり、各自家で勉強をしようという事になっていたので他の三教科については分からん……ていうかきららは英語が一番苦手でゲームではほぼ毎回一桁の点数だったので赤点は間違いないだろう……土日で一緒に勉強してなかったしな。
てか英語に関してはすぐには理解するのは誰でも難しいだろうから時間が必要だろうし。だって基礎から全くできていない訳だしな。
「それでもまぁ、四教科赤点を回避出来たら上々だろう」
元々は全教科赤点が中学生の頃から当たり前だったわけだしそれと比べたらきららからしたら凄く大きな成長と言えるだろう。
俺はそんな事を考えながら学校に向かっていた。
◆
――学校に着いた俺は早速席に着いた。
クラスメイト達は自分の席に座ってワークを解いたりノートや教科書を見たりして追い込みをしていた。
それは薫やきららも同じで自分の席で教科書を食い入るように読み込んでいた。
俺が薫の方を見ていたら薫がこちらに気が付いてニコっと手を小さく振って来ていたので俺もニコっとすると薫は再び勉強に戻った。
ふと気になり仁美や山崎の事もちらっと見てみると、仁美は当然勉強に集中していたのだが、山崎は教科書を出しながらも寝ていた。
まぁ、徹夜でもしていたのだろう。
前世の高校でもテスト直前に徹夜をしてテスト中うとうとしていた人もいたしな……
因みに俺は勉強をしないでも満点の自信があるのけど一応最初の科目である歴史の教科書を軽く眺める事にした。
それから10分くらいが経ってからテスト監督の先生が来たのでテストが配布されて最初のテストが始まった。
◆
(キーンコーンカーンコーン)
「それじゃあテストを後ろから回してくれー」
今日最後である四教科目のテストの終わりの時間となり、チャイムと同時にテスト監督の先生がそう言った。
テストが終わると教室中が急に騒がしくなった。
友達同士でテストの感触を確かめあったり、全然できなかったと嘆いている人もいれば、ワークや教科書を出して回答が合っていたかを確認する人もいれば、そそくさとすぐに帰る人もいたりする。
因みに俺は四教科どれもすぐに解き終わって外を眺めている時間が多かったくらいだった。
まぁ、これは俺が頭が良いと言うよりかは、王豪海斗の頭が良いってだけなんだけどな……
俺はテストが始まるときに切っていたスマホの電源を付けるとその少し後にLUNEの通知が鳴った。
確認してみると薫からの連絡だった。
『海斗君!きららちゃんも一緒だけど今日は一緒に帰ろう!』
今日はと言っているが月曜日と火曜日も一緒に帰っていて一緒に帰らなかったのは薫に用事があったので昨日の一日だけだ。
まぁ、でもそれはどうでも良いか。
俺も一緒に薫と帰りたいっての事実だしな。
俺はそう思い返事をした。
『良いぞ』
『それじゃあ学校から少し離れたいつもの場所でね』
『あぁ。また後でな』
俺は薫といつも合流している場所で落ち合う事を約束した。
それからすぐに薫がきららと一緒に教室を出たのを見てから俺もすぐに教室を後にした。
その間山崎を見てみたのだが、山崎は男友達と一緒にゲームが何とかと談笑をしていた。
◆
「あ!来たね海斗君!」
「こんにちは海斗君!」
俺が一緒に落ち合う場所に着くと二人がそう言って来た。
「あぁ、それじゃあ一緒に帰るか」
「うん!」
「そうだね」
そうして俺たちは一緒に帰ることにした。
「二人ともテストはどうだった?まだ明日もあるけどさ」
「私はかなり良かったよ!もしかしたら学年で一桁も狙える位かも!!まだ明日もあるけど今日の出来はそのくらい良かったよ!海斗君が教えてくれた場所もちゃんと出来たしね!海斗君のおかげだよ!」
俺がそう聞くと薫は嬉しそうにそう答えた。
まぁ、薫はゲームでも成績は上の方で最初のテストではどのルートでも10位だった気がするけどどうなんだろうか?
てか、既にゲームにはない展開もあったりするしそれは分からないか。
「そっか。それは良かったよ。でも薫は塾も頑張ったり勉強に力を入れていたし、俺のおかげじゃなくて自分の力だぞ」
「そんなことないよ!確かに私も頑張ったけど海斗君のおかげでもあるからね!それは絶対だよ!!それできららちゃんはどうだった?」
薫がそう聞くと嬉しそうにきららが言った。
「私も思ったより全然良かったよ!まぁ、二人と一緒に勉強した二教科だけだけど……でもその二教科はもしかしたら赤点を回避出来るんじゃないかって思ってるよ!そのくらい手ごたえはあったかも!!!ありがとうね二人とも!」
今日の四教科にはきららが俺と薫と一緒に勉強したのは二教科だったのだが、予想通りその二教科はちゃんと出来たっぽいな。俺はそれを聞いてちゃんと出来たっぽくて良かったなと思った。
「凄いじゃんきららちゃん!でもきららちゃんは覚えが早かったからね!」
「そうだな。教えた事をすぐ理解してくれたから教えれる方も教えやすくて楽しかったからな」
「そうだよね海斗君!私もそう思ってたよ!」
これは嘘じゃなくて本当の事だ。
おそらく今までのきららは家の事やバイトが忙しかったりで、疲れや睡魔があり授業に集中出来ていなかっただけでちゃんと勉強を出来ていたら赤点は取らないだろう……英語とかの積み重ねの教科は基礎からしないといけないからそうじゃないかも知れないが、そうじゃない教科は間違いない。
「うん……本当にありがとうね二人とも……明日も頑張ろうね!」
「そうだね!頑張ろうね!」
「そうだな」
「それで海斗君はどうだったの?」
薫がそう聞いてきた。
「俺は……まぁそだな。思った通り出来たぞ」
俺はなんて言うか迷ったがそう言った。
謙遜してまぁまぁと言ってもちょっとなーと思ったし、かといって正直に100点だと思うと言っても喜んでいる二人に水を差す気がして気が引けたからだ。
「まぁ、海斗君だったらきっとまた一番かもね!」
「入試テストでは一番だったんだよね。凄いよねー本当に」
「そうだったら良いな。さっきも言ったけどまた明日も頑張ろうな」
「うん!頑張ろう!」
「私も二人が教えてくれたんだから頑張るよ!」
その後薫の家に着いたところで三人は解散した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます