第42話 意外と堅実
「あと、これをやろう」
受け取ったのは、短い杖。先端には赤い宝石が埋め込まれていて、よくみると宝石の奥のなにかと目が合った。
「あの……なんか目が合いました」
「それは、
火炎蛙というのは、大陸南方に広がる魔物の巣窟となっている湿地帯のなかでも、特に危険な〝歪んだ沼〟に生息する炎を吐く蛙の魔物で、討伐したという話は、吟遊詩人の詩のなかでしか、聞いたことがない。
例の大量発生したスライムの平原を突破するためにボクに授けてくれた。使用法には注意が必要だそうで、8回炎を吐いたら、1時間休息が必要とのことなので、スライムの数がわからない以上、この杖だけで突破できると考えないほうがいい。
「あと、おぬしが背負っているバカでかい剣に
効力は7日間で、魔力に覆われている間は、スライムの金属腐食属性への高耐性がつくそうだ。
「まあこれくらいじゃな。あとそうそう……」
シロワは思いだしたことを口にした。
「ワシには弟子がおるんじゃが、どこかで会ったらおぬしの
名はルビー・D・マーリン。ボクと同じ14歳の女の子で、真っ赤な髪に深紅の瞳をしているので、たぶんひと目でわかると教えてもらった。その子を連れて歩けば、火種には困らなくなるだろうと最後に含み笑いをした。
「あの……ボクから質問してもいいですか?」
「ダメじゃ、ワシはあまりにも〝
(オレらのこと言ってる?)
<ムフフ99【司会者】>
:たぶん……
<猿トピ佐スケ>
:なんかコチラに気が付いてるような気がするでござる
<ムフフ99【司会者】>
:神として?
<猿トピ佐スケ>
:それはなんとも言えぬでござるが……
<チキンはドラム派ですが?>
:そういう仕様でしょw
<ムフフ99【司会者】>
:まあ、そうだよなw
(そうだな。んなワケないか……)
いつものように神々の会話は人智を超えていて、なにを話しているのかボクには理解できない。
賢者シロワに魔法陣を描いてもらい、ボクは元いた帝国の帝都トロメキアの路地裏に出た。それからどうにか遅い時間から泊まれる宿屋を探し出し、一夜明けてすぐに帝都を出立した。
──5日が経過した。
なんの冗談なんだろう? スライムがボクをみつけると、問答無用で襲い掛かってくる。そのせいで、平原にいた大量のスライムをボクひとりでほとんど駆除してしまったんじゃないだろうか?
この5日間で倒したスライムの数は10,000匹以上。こんな恐ろしい数をぶっ続けで討伐できたのはやはり神プレイヤさまのおかげ。あと賢者シロワにかけてもらった
夜はずっとボクが戦い続け、日中はプレイヤさまに操ってもらい、その間、ボクは就寝するという恐るべき行動を可能にした。もちろん、用を足したり、食事をしたりするために足の遅いスライムを一度、振り切ってできた時間でいろいろ済ませ、追いついてきたらまた戦闘に入るというのを繰り返した。
<オカンしか勝たん>
:さすがに見飽きた
<王!爺ザス>
:たしかにw
(ステ上げもしっかりしとかないとな。まあ今日で抜けられそうだし)
<王!爺ザス>
:この辺が意外と堅実
<オカンしか勝たん>
:ここは、さすが世界3位だと讃えよう
<人形無人販売所>
:基礎は大事。庶民シュートも立派な武器
<オカンしか勝たん>
:晴●ちゃんがいないから、ふたりで秘密の朝錬はできんがなw
<王!爺ザス>
:なんのネタだ? とにかくヤメロw
飽きたって言われた──ひどい。ぶっ続けで戦い続けたのに(ぐすん)
【第42話時点のステータス】
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セル・B・モティック 男 14歳
階級:騎士
筋力 3.715(1.219Up) +0.900(0.300Up)
瞬発力 4.566(1.547Up) +0.900(0.300Up)
耐久力 2.212(0.538Up) +0.900(0.300Up)
魔力 4.225(1.006Up) +0.900(0.300Up)
<固有スキル>
【指し手(U)】
発動型(騎士2体、兵士8体の召喚※器の成長により変動あり)
<スロットスキル>
【模写(SSS)】
発動型(指定条件を満たすと相手のスキルをコピーできる)
【
発動型(2つのスキルを融合(AAAまで)させ上位スキルを生成。上位スキルがベースとなる)
【精癒:中(A)】永続型:魔力が毎分0.02回復する。
<能力スキル>
【太陽と月の加護(SSS)Lv3】
永続型(全ステータスにLv補正。呪い抵抗、自癒力上昇)
<武器・防具>
【
超大型の剣(筋力が3以上で使用可)
※魔力被覆中により金属腐食属性への高耐性付与
【血吸の猫】
赤い刃をした
【名の無い小盾】小さな丸い盾
【ハーフスタデッドレザーアーマー】鋲で補強された革鎧
【
【謎の腕輪】
<従魔?>
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ポチョ
すごくレアな鳥
強さ:ひみつ
【カード測定】★★★★☆
対象をカード化して能力などをみることができる。
【捕獲】★★★★★
対象を弱らせて、カードの中に魔物を封じて操ることができる。
【スキルストック】★★★★★
主人のスキルをカード化して、ストックしておくことができる
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