第29話 太陽と月の加護
「ええ、喜んで祝福をさせていただきます。ところで……」
マロエ神殿長がボクの手のひらの印に気がついた。
「ここ一週間以内に誰かから祝福を受けませんでしたか?」
「はい、王都へ向かう途中。ロノさんという神官戦士から祝福してもらいました」
「そうですか……本当によかった」
マロエ神殿長がボクの手のひらに浮かんでいる〝┬〟の印をみて、ほっと安堵の表情をみせた。
「これが〝┼〟になった時、神プレイヤの使徒はこの世界から完全に消滅すると言われています」
実物をみたのはマロエ神殿長も初めてだそうだ。使徒へ祝福を行うとたとえ道半ばで力尽きても、祝福を受けた場所と時間まで戻ることができるという。ただひとつ欠点があり、死んで戻るたびに、カラダからチカラが失われ、チカラは元に戻らないので、注意が必要だそうだ。このことは、ディテクト教では高司祭クラス以上のものになると、ひそかに教わることのひとつだそうだ。
それは身をもって経験したので知っている。でも次がなかったと思うとゾッとした。
そして神殿長に祝福をもう一度かけてもらった。すると手のひらに浮かんでいた印は、徐々に薄まっていきやがて完全に消えた。
(ちょっと失礼)
時間が止まり、ウインドウが現れる。
──────────────────
模写条件達成により、マロエ・A・トイタールのスキルを獲得しました
能力スキル【太陽と月の加護(SSS)Lv1】
──────────────────
(おっしゃぁぁ、文句のつけようがない能力スキルゲットッ)
<王!爺ザス>
:別の神の加護をもらっとるw
<ムフフ99【司会者】>
:もらったモン勝ちともいう
(じゃあ【怪力(AA)】と【太陽と月の加護(SSS)】を交換してっと)
能力スキルはスロットスキルのように融合はできず、交換した【怪力(AA)】は消滅してしまった。
<ミント侍>
:ますますチートなキャラのできあがりw
<ムフフ99【司会者】>
:これはエグい
(ひさしぶりステでも見てみるか)
<王!爺ザス>
:昔すぎてステ忘れた
<病み営業おじさん>
:お母さん、セル君の成長が楽しみ!
<ミント侍>
:いや、オトンなん? オカンなん?
─────────────────────
セル・E・モティック 男 14歳
階級:工民
筋力 1.585(0.052Up)+0.300(2.700Down)
瞬発力 1.901(0.032Up)+0.300(0.300Up)
耐久力 0.884(0.125Down)+0.300(0.300Up)
魔力 1.688(0.134Up)+0.300(0.300Up)
<固有スキル>
【指し手(U)】
発動型(騎士2体、兵士8体の召喚※器の成長により変動あり)
<スロットスキル>
【テラ・ストレージ(SSS)】:保有中永続(スロットスキル+5)
【模写(SSS)】
発動型(指定条件を満たすと相手のスキルをコピーできる)
【蝕魂(AA)】
発動型(魂の浸食により簡単な命令を付与)
【
発動型(2つのスキルを融合(AAAまで)させ上位スキルを生成。上位スキルがベースとなる)
【
発動型(筋力強化。耐久力上昇、麻痺・毒物耐性)
【
発動型(武器や防具へ火炎属性を付与)
【水遊び(D)】
発動型(バケツ程度の水を放出)
【精癒:中(A)】
永続型:魔力が毎分0.02回復する。
<能力スキル>
【太陽と月の加護(SSS)Lv1】
永続型
(全ステータスにLv補正。呪い抵抗、自癒力上昇)
<武器・防具>
【
大型の剣(筋力が3以上で使用可)※現在使用不可
【名の無い小盾】小さな丸い盾
【ハーフスタデッドレザーアーマー】
鋲で補強された革鎧
<従魔>
チャーノズド・Ⅰ・キュア 女 ?歳
筋力 Unknown
瞬発力 Unknown
耐久力 Unknown
魔力 Unknown
<固有スキル>
【
<スロットスキル>
【Unknown】
【Unknown】
【Unknown】
<能力スキル>
【Unknown】
────────────────────
<ムフフ99【司会者】>
:ステの伸びがシブいな
<王!爺ザス>
:スキルだけ見たら化け物w
どうやらもっと増えたはずだが、3回やられてしまったので、ステータスがほとんど伸びていないどころか、ただでさえ低い耐久力が余計、下がってしまった。
神殿長にお礼を伝え、神殿をあとにした。この後の予定は、夕刻に城を訪問することになっているが、まだ少し時間がある。
(あとあれだな、使える武器を買わないかん)
スキル【怪力】を外したせいで、大剣【巨人殺し】を手放さないといけなくなった。だけど武器・防具店に行くと、買い取りを拒否された。まあ、いつか使えるようになるかもしれないし、かなり重いけど背負っておくとして、使える武器を探さないと……。
すると、すぐに目にとまった短剣があった。限りなく黒に近いが、少しだけ赤みを帯びたダガー。ガラスのショーケースに飾られているが、値札が置かれていない。
「それは
店主が声を潜めてボクに囁く。
──〝
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