第28話 再接続
王女一行と別れ、ボクは今回の戦いでものすごく助けになったディレクト教の神殿に足を運んだ。
神殿の入口で献金を捧げ、神殿のなかへ入る。ディレクト教には5柱の神がいる。
狩猟と豊穣の女神「ヴェール」、剣と鎚の神「アトランカー」、知恵の女神「フィメリス」、太陽と月の神「ルーラー」、そしてボクの守護神である魂の神「プレイヤ」の5神。
この中で、世界の人の多くがヴェール神やフィメリス神を信仰している。そして冒険者や軍属のひとはアトランカー神。聖職者はルーラー神が多く、魂の神プレイヤは正直、このなかでいちばん人気がない。
ボクは神プレイヤに見放されてしまったのだろうか?
神殿の大広間にある5柱の神々のうち、いちばん右端にある神プレイヤ像の前で祈りを捧げる。
「少しよろしいですか?」
身に纏っている法衣で、神殿の他のひとより高位の神職者であるのがひと目でわかる。
「私はディテクト教ファルカ神殿長マロエ・A・トイタールです」
「辺境の村メイズからきましたセル・E・モティックと申します」
「セル殿、アナタから神プレイヤと対なす冥府の女神〝
冥府の女神ミープルとは、生きている間に悪いことばかりしていると、死後、ミープルに魅入られ、
今年は12年に一度の復活祭が年の初めに行われていて、いつ神プレイヤと女神ミープルの使徒が現れてもおかしくないとされているそうだ。
「あなたは、どうやら神プレイヤの〝使徒〟に選ばれた御方のようだ。ですが、まだ未熟……女神ミープルの眷属である悪魔や、使徒になりきれなかったもの〝魔人〟に遭遇してしまえば、たちまちのうちに取り込まれてしまうでしょう」
ボクはどこかで、このミープルの眷属や使徒、もしくは魔人からいつの間にか呪いを受けていたそうだ。
マロエ神殿長は「我々の力がおよべば良いのですが……」とボクを神殿の奥にある一般信者は立ち入れない泉の湧き立つ間へ連れていき、泉のなかに身を
金属の鎖が引き千切られるような音がした。その途端、頭のなかで神プレイヤの声が響いた。
(お、やっとつながった……やべー。リセットしなくてよかった)
<ムフフ99【司会者】>
:ひさびさの配信w
<病み営業おじさん>
:セル君のこと心配だったよ~~ッ
<王!爺ザス>
:キャラ生きてたか! エライぞ⁉
ずいぶんと神達のこえを聞いていなかった気がする。ボクは神プレイヤに見捨てられてなかったんだ……。
<王!爺ザス>
:あれ? ウルってるぞ
<ムフフ99【司会者】>
:再開の感動を茶化すでない
<ミント侍>
:いい子だな。お兄さんもウルっときそうだよ
あ、この感じは、キュアも左目の奥で彼女を感じる。──よかった。
「え、なにをされてるんですか?」
気が付くとマロエ神殿長や高位司祭が膝を折って、ボクに向かって指を絡めて手を組み祈りを捧げている。
(なんだ。このオッサンどもは?)
<王!爺ザス>
:
<病み営業おじさん>
:ウチのセル君が崇められてる
<ミント侍>
:いつの間にか息子になってるw
(ちょっと見てみるか?)
─────────────────────
マロエ・A・トイタール 男 53歳
階級:聖職者
筋力 0.552 +3.00
瞬発力 0.577 +3.00
耐久力 0.303 +3.00
魔力 7.729 +3.00
<固有スキル>
【熱誠なる信仰(S)】
発動型(すべて神聖な行為に高補正)
<スロットスキル>
【
発動型(聖なる光線。対不死者は極大ダメージ)
【大いなる祝福(SS)】
発動型:信者に対して、病気、ケガの自癒効果の促進(隠し機能:使徒に対してセーブ機能を付加)、隠しステータス〝運〟の微補正(1週間持続)
【光の輪(AA)】
発動型(円形範囲の結界。頭上および地面から作用するものには無効)
<能力スキル>
【太陽と月の加護(SSS)Lv10】
永続型(ルーラー神の加護を受けた証。全ステータスにLv補正。呪い抵抗、自癒力上昇)
────────────────────
(これは欲しいな)
<王!爺ザス>
:このオッサン当たりキャラじゃね?
<ムフフ99【司会者】>
:これはたしかに欲しくなるスキルばかり
(じゃあコピーするか)
──────────────────
マロエ・A・トイタールのスキルの模写条件
マロエから支持を得る <達成済み>
マロエから祝福を受ける
※スキルの選択はできません
──────────────────
(よし、
え、今、ボクのことを名前で呼んでくれた。神プレイヤはこれまでずっとボクのことを「マイキャラ」って呼んでいたのに……。
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