第19話 小さな希望を拾い集める
日々の中で、希望を見失いそうになる瞬間がある。両親の病気のこと、自分の将来のこと、経済的な問題――考えれば考えるほど、不安が心を占領していく。でもそんな中で、ふとした瞬間に「これなら大丈夫かもしれない」と思える小さな希望を見つけることがある。
その「希望」は、大きな出来事から生まれるものではない。ある日は、友人が「また話そうね」と言ってくれたその言葉だったり。別の日は、近所の公園で見た花が咲き始めていた光景だったり。そういう何気ない瞬間が、私の中で灯る小さな明かりになる。
不安の中にいるとき、人は希望に気づきにくくなる。暗闇に慣れてしまうと、ほんの小さな光でも見逃してしまうのだと思う。でも、だからこそ私は、意識して「小さな光」を探す努力をしている。
例えば、何もしたくない日でも、窓を開けて外の風を感じる。気が乗らない日でも、少しだけ散歩に出てみる。そんな小さな行動が、ふいに心を軽くしてくれることがある。自分で「希望を拾い集める」時間を作ること。それが今の私には必要だと感じている。
もちろん、すべてが解決するわけではない。不安は相変わらずそこにあるし、問題が消えるわけでもない。でも、希望を拾い集めることで、不安の中に少しずつ余白を作ることができる。その余白があるだけで、私は少し呼吸が楽になるのだ。
最近、母がこんなことを言った。「私たちのことも心配だろうけど、自分の幸せもちゃんと見つけなさいね。」その言葉が、私にとって一つの希望になった。両親は私が幸せになることを願ってくれている。その事実が、私の心を温かくしてくれる。
希望は大きなものではなくてもいい。むしろ、日々の中で見つける小さな希望の積み重ねこそが、私を支えてくれるのだと思う。これからも、その小さな光を見逃さず、拾い集めながら生きていきたい。
不安に覆われた日々の中にも、きっと希望は隠れている。それを探す目を持つことで、私はもっと自由に、もっと軽やかに生きられるはずだ。小さな希望が集まって、私の未来に新しい光を灯してくれる日を信じている。
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