第18話 支えることと支えられること

「私が支えてあげなきゃ」と思うことがある。でもその一方で、「自分だって誰かに支えられている」と感じる瞬間もある。この二つの思いの間で揺れ動くことが、私の日常だ。


両親のことを考えるとき、私は「支えなければ」という気持ちが強くなる。母が糖尿病でつらそうな日や、父が透析の疲れで動けない日を見るたびに、「私がもっとしっかりしていれば」と自分を責めてしまう。


でも、そんなとき母は言う。「無理しないで、自分のペースでいいから」と。その言葉を聞くたびに、私はハッとする。支えるべきだと思っている自分が、実は両親に支えられているのだということに気づかされるのだ。


「支える」という言葉は、一見力強いけれど、実際にはとても繊細なバランスが必要だと思う。誰かを支えるためには、自分自身が支えられる場所を持っていないと、長くは続けられない。だから私は、支えるだけでなく、支えられることを受け入れるようにしている。


例えば、友人に自分の悩みを話すこと。相談支援窓口で将来の生活について聞いてみること。以前の私なら「弱さを見せるようで嫌だ」と感じていた行動が、今では自分を整えるために必要なものだと思えるようになった。


両親もまた、私が無理をしないで生きていくことを望んでいる。だから、私も自分を大事にすることで、彼らを支える力を持ち続けたいと思う。


支えることと支えられることは、どちらか一方だけでは成り立たない。両方があってこそ、人と人との関係は続いていくのだと思う。私はそのバランスを学びながら、日々の中で少しずつ成長している。


これからも、誰かを支えながら、誰かに支えられながら生きていきたい。そしてその繋がりの中で、自分の居場所を見つけていけたらと思う。


支えることも、支えられることも、大切な生きる力。それを実感しながら、今日もまた、自分にできることを少しずつ重ねていこうと思う。

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