第3話

――――――登園前。


母の膝に頭を乗せる。


「…どうしたの?」

「……。」


「どうしたの?」

「行きたくない、ママと居たい。」

「夕方迎えに行くから。」


僕の頭を撫でながら母が微笑む。


「あんまりわがまま言いたくないけどさ。」

「言うのはただでしょ。そこからはママが決める。」

「……。」


母のお腹に顔を埋めてくっついた。


母はそんな僕の頭を撫でてくれた。


「ママだってずーっと流といたいよ?ママだって流星が大好きなんだよ?」

「ほんとに?」

「本当だよ。」


僕は起き上がって母にキスした。

まだ5歳だ。母はただの可愛い行為としか捉えていなかった。

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